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海外競馬情報
2011年02月10日  - No.3 - 3

BHA、競走後薬物検査を削減し、より効果的方法を指向(イギリス)【獣医・診療】


 BHA(英国競馬統轄機構)の費用を節減する措置として、2011年の競走後薬物検査は大幅に削減される。しかしその一方で、BHAはより的を絞り正確な機密情報に基づく監視システムをさらに発展させる。

 英国における競走後薬物検査は以前から、出走馬の約9.7%を対象にしてきた。その中には勝馬の大部分、1番人気に推されながらも敗れた馬および予想以下のパフォーマンスを見せた馬が含まれていた。

 競走後薬物検査件数の削減傾向はすでに始まっていた。2009年には、出走馬に対する検査件数の割合はわずかに上がったものの、検査件数自体は162件減少した。2010年の検査件数はまだ明らかにはなっていないが、さらに減少しているだろう。

 BHAの馬科学・福祉担当理事であるティム・モリス(Tim Morris)氏は1月6日、実際の数字については言及しなかったが、競走後薬物検査の件数は2011年にはさらに減少するだろうということを明らかにした上で、検査件数の総数はリスク評価に依存すると述べた。

 そして次のように続けた。「検査件数は減少しますが、私たちがどのように的を絞るかによって競走後薬物検査数は年々変わるでしょう。状況によっては、検査が例えば5,000〜9,000頭を幅広く対象とすることもあり得ます。私たちは貴重な資金をより有益に使うよう努めています」。

「主として米国の研究に基づいて、抑止力として機能させるためには出走馬に対して約10%という数字がサンプリングのマジックナンバーであるという慣例がありました。しかし、それでは決して十分ではないとも言えます。なぜ20%ではないのでしょうか」。

「私は単に検査の件数に基礎を置くよりも、より的を絞った検査の方が断然良いと思います」。

「したがって、私たちは勝馬と敗れた一番人気馬の検査を求める以前の型にはまったシステムではなく革新的な方法を探しています」。

 モリス氏は、今後薬物検査は競走前と競走後においてより広範に実施され、より新しい器具と科学技術が使用されるだろうと語った。

 そして次のように付け足した。「これまで水面下で続行されてきて、2010年には目立たない形で何回も実施された調教中検査を今年はさらに多く実施することになるでしょう」。

「競走後薬物検査は、やみくもに行うことにはならないでしょう。今後はより機密情報に基づいて実施する形になるでしょう。その結果私たち自身がこの高価な検査を賢明なやり方で実行できるのです」。

「機密情報システムの下で、私たちは、厩舎で許されている薬物に関して投与の仕方でミスを犯す調教師ではなく、標的にする必要のある調教師に的を絞ることになるでしょう」。

 モリス氏は、この措置が“悪だくみの憲章”として解釈されるものではないと述べた。

 同氏は次のように語った。「2010年は私たちが初めて薬物検査と機密情報とをセットで利用した年でした。しかし、そのことにより陽性反応を示すサンプルが減少することはありませんでした」。

「ただ、私たちは実際にいくつかの非常に目立った陽性反応を摘発しましたが、そのことは、問題を見つけたときには私たちは恐れも特別扱いもなしに対処できることを示しています」。

 同氏は次のように付言した。「ターゲットを絞らずに一律に実施する検査は多くの金がかかりますので、競馬界はそのようなシステムのためには資金を拠出するべきではないでしょう」。

By Howard Wright

[Racing Post 2011年1月7日「Fewer post-race drugs tests as BHA aims for more efficient policy」]
 


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