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海外競馬情報
2011年03月11日  - No.5 - 2

競馬のマイレージポイント制度が発足(イギリス)【開催・運営】


 ジョッキークラブ競馬場社(Jockey Club Racecourse: JCR)が所有する14の競馬場への入場者数を大幅に増加させ、年間300万人を達成することを目指した野心的な計画の一環として、競馬に行く可能性のある100万人以上の人々に競馬界初のポイント制度の詳細が送られるだろう。

 このポイント制度は、JCRがウェブサイト上のリウォーズ4レーシング(Rewards4Racing)において無料で参加者を募集しているもので、メンバーは毎日の買い物によってポイントを獲得でき、例えば目抜き通りの店で80ポンド(約1万1,200円)を出費すれば競馬場無料入場券を得るのに十分なポイントを得ることができる。またポイントは、競馬場における入場券の格上げ、団体客のためのもてなしパック、そして食事、飲み物、レーシングプログラムの無料提供にも使える。

 また、コメンテーター席から競馬を見ることのできるチャンスや、出走している馬をトラックに乗って併走できるチャンス、トップジョッキーにマンツーマンで会えるチャンスの提供などの“お金では買えない” 多くの経験も計画されている。

 1月28日に発足したこのポイント制度は、以前騎手協会(Professional Jockeys’ Association)のCEOを勤めていたジョシュ・アピアフィ(Josh Apiafi)氏が発案したもので、実施までには約2年間を要した。

この制度は、スーパーマーケットチェーンのテスコ(Tesco)やセインズベリー(Sainsbury)を含む250以上の大手の小売業者に支持され、マスコミでは“競馬のマイレージポイント導入”と表現された。

 契約を交わした他の小売業者には、アマゾン(Amazon)、ブーツ(Boots)、マークス&スペンサー(Marks & Spencer)、デベンハムズ(Debenhams)およびアイチューンズ(iTunes)が含まれている。ポイントの価値は多様であるが、ハルフォーズ(Halfords 自動車用品を含むレジャー用品の小売業者)で80ポンド(約1万1,200円)分の買い物をしてみることで、どのくらいの買い物をすれば1枚の無料入場券が得られるかがわかるだろう。

 このポイント制度は、エイントリー、チェルトナム、エプソムおよびニューマーケットを含むJCRの全競馬場で実施される。

 JCRは、成功を収めた一連の“レース後コンサート”を通じて得た莫大な顧客データベースを使うことにより、リウォーズ4レーシングの計画が4年間で競馬場入場者を180万人から300万人に増加させることに寄与することを望んでいる。

 JCRのCOO(最高執行責任者)であるポール・フィッシャー(Paul Fisher)氏は、これは長年続いている航空会社のマイレージ制に相当する競馬界の計画であると述べた。

 そして次のように語った。「リウォーズ4レーシングのポイント制度は、競馬ファンの支援に対して何か特別なお返しをすることを目的としています。目抜き通りやインターネットそして我々の競馬場で買い物をしさえすれば、メンバーはこれまでよりも少し特別な競馬経験を得ることのできる報奨が即座に得られます」。

 この報奨プログラムはカード不要の優れた技術を利用しており、メンバーは、リウォーズ4レーシングのサイト(Rewards4Racing.com)からクリックしてインターネット上の小売業者のページにアクセスすることでポイントを獲得できる。そして一度メンバーがリウォーズ4レーシングのサイトで支払いのためのクレジットカードを登録すると、店での買い物履歴は追跡される。またJRCの競馬場で施行されるレースの前売り馬券を買った人はすべてこのプログラムに登録され、メンバー規約の詳細が与えられる。JRCの競馬場の2011年の年間会員もまたすべて登録される。

 フィッシャー氏は次のように付言した。「私たちが実施した調査によれば、競馬場に来る大半の顧客がこの計画を好んでいますが、私たちとしては、お得意様になってもらう理由をもっと与える必要があり、そうすることで年に1回しか競馬場に足を運ばなかった顧客がより頻繁に来場するようになります。英国競馬界の初めての報奨プログラムは、それを実現するための重要な方策であり、せめぎ合うスポーツおよびレジャーの市場において競馬がさらに一歩前進するのに役立つと私たちは確信しています」。

「この計画は、人々がより頻繁に競馬場に行くよう促す手段になるのと同時に、すでに競馬場に足繁く通っている人々にとっても素晴らしいものとなるでしょう」。

 リウォーズ4レーシングのウェブサイトは1月28日に運用を開始し、翌29日のクリーヴハードル(Cleeve Hurdle)は、ポイント制度の設立宣伝を行うための競馬シリーズの最初の競走となる。

 フィッシャー氏は、他の競馬場もJCRの計画に参加するだろうと期待している。「これはスタートであり、私たちが競馬産業をリードすることになるのを望んでいます。他の多くの競馬場もこれによって奮起し、願わくば彼らも今後これに加われば良いと思います。私たちはこのポイント制度がすべての競馬場に行き渡れば嬉しいと思っています」。

 By Paul Eacott
(1ポンド=約140円)

[Racing Post 2011年1月28日「‘Shop and go racing’as new loyalty scheme is launched」]
 


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