ケンタッキー州、胎盤炎の増加を追跡(アメリカ)【獣医・診療】
ケンタッキー大学のマクスウェル・H・グラック馬研究センター(Maxwell H. Gluck Equine Research Center)と獣医学診断研究所(Veterinary Diagnostic Laboratory)は、研究所に提出された胎児と胎盤の数が増加したことを報告し、それらが、妊娠後期の牝馬に感染して流産、死産、障害のある仔馬の誕生を引き起こす細菌性の胎盤炎であるノカーディオフォーム菌胎盤炎(Nocardioform placentitis)と診断した。
この種の胎盤炎は1980年代にケンタッキー州中部で初めて診断され、米国の他の地域や海外でも報告された。
ケンタッキー大学はノカーディオフォーム菌胎盤炎の発症数は年々変動していると報告し、繁殖牝馬がどのようにしてその疾患に感染するかは究明されていない。ノカーディオフォーム菌胎盤炎は通常牧場で散発的に発生するが、感染した牝馬が群れにいる他の牝馬に感染のリスクを与えるという証拠はない。
研究者たちは、ノカーディオフォーム菌胎盤炎に感染した繁殖牝馬は再び交配に供されるが、その後の妊娠において再発するリスクが高まることはないと述べた。2011年に発症数が増えた一方で、繁殖牝馬全頭における罹患率は、報告された流産の1%より少なかった。
教授であり獣医学診断研究所の副所長であるニール・ウィリアムズ(Niel Williams)氏は、「研究所はこの傾向と新たな問題を注意して調査し続けており、胎盤炎の増加の早期発見に取り組んでいます。私たちは疫学と診断テストによってこの疾病の発症および他の問題の発生を監視し続けるでしょう」と語った。
By The Blood-Horse staff
[The Blood-Horse 2011年3月5日「Kentucky Tracking Increase in Placentitis Cases」]