チャンネル4が競馬の地上波放映を独占(イギリス)【開催・運営】
チャンネル4が事業拡大に向けて競馬放映権の落札に成功したことから、英国で2番目に多くの視聴者を集めるスポーツである競馬の地上波放映は、2013年から少なくとも4年間チャンネル4でのみ行われることになる。
競争の激しい競馬の国内テレビ放映権の入札プロセスには、さまざまなテレビ局が参加したが、エイントリー競馬場のグランドナショナル、エプソム競馬場の英国ダービーおよびアスコット競馬場の英国チャンピオンズデーを放映する権利を勝ち取ったのは、チャンネル4であった。現在のところBBCで放映されているこれらすべてのレースは、チャンネル4の80日間の競馬日程に加えられる。
2011年に競馬場入場者が615万人まで増加する一方、チャンネル4の国内視聴者が500万人近く増えた(2010年の3,740万人から2011年には4,220万人)中、レーシングポスト紙が3月中旬に初めて明らかにしたこの新しい契約は、英国競馬の収入をさらに大きく増加させる。
チャンネル4の今後4年間の競馬に対する資金支出は、同局番組のうちの最大の柱の1つとなる。
チャンネル4の報道発表では、「スポーツへのより深い関わりとより広範な若い視聴者に焦点を当てることの一環として、新しい契約期間において競馬番組の価値を独創的に高めるよう努めます」とされている。
今回の交渉は、競馬場メディアグループ(Racecourse Media Group)がジョッキークラブ、アスコット競馬場、英国チャンピオンシリーズ社(British Champions Series Ltd.: BCS)とが一体となってリードした。そしてチャンネル4側の指揮は、商業部長のマーティン・ベイカー(Martin Baker)氏がとった。
チャンネル4のスポーツ編集長であるジェイミー・エイチソン(Jamie Aitchison)氏は、「28年にわたるチャンネル4と競馬界との関係の中で、競馬産業がチャンネル4の完全な番組提供能力に信頼を寄せてくれるに至ったことを嬉しく思っています」と述べた。
そして次のように続けた。「今回の契約は、チャンネル4にとって非常に大事な昔からの視聴者に報いる一方新しい視聴者を惹きつけるために平地と障害の両方の映像をすべて提供することを通じ、競馬の発展のために一致協力するチャンスです」。
「チャンネル4は、英国競馬の遺産と文化的重要性だけではなく競馬が輝かしい未来を渇望していることも心から理解しており、私たちはその難題に喜んで取り組みます」。
アスコット競馬場のCEOチャールズ・バーネット(Charles Barnett)氏は、「これは競馬界にとって非常に素晴らしい発表です。競馬は現在最高に恵まれた状況にあり、競馬を放映することの魅力と平地と障害双方の人気が、競争の激しかった入札プロセスで明らかになりました」と語った。
「1つのチャンネルだけで競馬を放映することにより、私たちは明確かつ一貫した競馬放送を提供できるのです。そしてロイヤルアスコット開催はそのために必須の番組です」。
「私はBBCが競馬のためにしてくれたすべてに個人的に感謝したいと思います。そして競馬以外の分野で連携することを期待しています」。
ヨーク競馬場のCEOであるウィリアム・ダービー(William Derby)氏は次のように語った。「28年間にわたる競馬放映を通じたチャンネル4のパートナーとして、ヨーク競馬場は、主な土曜競馬開催に加えてダンテフェスティバルおよびイボアフェスティバルの有名レースも放映されることとなったので楽しみにしています」。
「1つのテレビ局が、すべての看板レースと土曜開催を放映することで平地シーズンの一部始終を放映できることは新しいことで、エキサイティングでもあり、私たちはその一翼を担うことを楽しみにしています」。
新しい契約によって、英国チャンピオンズシリーズの35レースすべてが1つのチャンネルで放映されることになり、BCSのCEOロッド・ストリート(Rod Street)氏は、「私たちは当初から、1つの国内地上波テレビによる英国チャンピオンズリーズ放映で素晴らしい英国の平地競走を広く紹介することを目標にしてきました」と語った。
そして、「私たちはチャンネル4との新しい契約により、競馬ファンとスポーツファンがこれまでよりもチャンピオンズシリーズを理解しやすくなると信じています。これからはとてもワクワクする時代になります」と付言した。
By Andrew Scutts
[Racing Post 2012年3月19日「Terrestrial racing to be shown exclusively on C4」]