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海外競馬情報
2012年05月20日  - No.5 - 4

競走馬を顔認識ソフトウェアで識別する手法の可能性(アメリカ)【その他】


 リップタトゥーによる識別は、次のレースに出走する各馬が揃っていることや良く似た馬が紛れ込んでいないことを確認するために広く行き渡ってきた方法である。

 生体認証の科学は今や、馬体に処置することなしに目的を遂行するために現代的な取組み方を提案している。この前途有望な手法とは、人および動物の個体を確認するためにさまざまな組織がさかんに利用している顔認識ソフトウェアである。

 2001年9月11日のテロ攻撃の影響で、顔認識ソフトウェアを設置した空港もある。その当時は、たとえばメガネを掛けたり顔を歪ませるような偽装には影響を受けやすかった。

 それ以来、顔認識ソフトウェアの精度は3Dスキャンや傷痕や毛穴のような独特の特徴を解読する能力を持つことにより劇的に改善された。

 2011年夏にはフェイスブック社(Facebook.com)が個人の写真を当人の名前が付されていなくても認識する顔認識ソフトウェアを導入した。この他にこの技術を適用した組織には、軍隊、警視庁、カジノおよびFBIが含まれる。

 米海軍特殊部隊がオサマ・ビンラディンを見つけ出した時には、顔認識フォトウェアは彼の身元を確証するのに役立った。

 国立標準技術研究所(National Institute of Standards and Technology)が最近実施したテストは、最も性能の良い顔認識ソフトウェアは同じ人物の2枚の写真を正確に識別することができると結論付けた。これは人間が識別するよりも確かであり、99%の確率で正確である。ある企業は双子の写真を見分けることができるとの宣伝文句で、従業員識別機を745ドル(約5万9,600円)で販売した。

 顔認識ソフトウェアの実用性は人間に限定されることはない。たとえば、この技術は猟区管理人に類人猿や象のような野生動物を追跡し、彼らの行動を研究することをいっそう容易にした。

 サイエンスデイリー誌(Science Daily)は、類人猿は今や森の中で子供に餌を与えているところや、行き来しているところを定期的にビデオ録画されていると報じている。肉眼である類人猿ともう1匹の類人猿を見分けることは近距離でも難しい。しかし顔認識ソフトウェアの精度が高まったことで、写真から類人猿を区別することが可能になった。

 顔認識ソフトウェアは、レース前にパドック入りする競走馬の個体確認を行う場合は、自然に生息している状態の類人猿を識別する場合よりずっと高い精度を発揮するだろう。接近して撮影された各馬の顔写真は、すでに登録されたその馬の写真と瞬時に比較されるだろう。この手順は、まさに従業員が仕事場に入るためにセキュリティーチェックされる方法と同じである。

 ジョッキークラブと競馬場は明らかに精度の低いリップタトゥーを排除することを視野に入れ、顔認識ソフトウェアと馬の皮膚に埋め込まれたスキャン可能な電波による個体識別チップの組み合わせを試行する必要があるだろう。

By William Shankin
(1ドル=約80円)

[The Blood-Horse 2012年3月31日「Facial Recognition Software Has Place in Horse Racing」]


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