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海外競馬情報
2013年10月20日  - No.10 - 3

オーストラリア、ステロイドの全面禁止を発表(オーストラリア)【獣医・診療】


 オーストラリア競馬評議会(Australian Racing Board: ARB)は9月16日、競走中および調教中のアナボリック・ステロイド使用を全面禁止とすることを発表した。

 この全面禁止は今年の11月1日に導入され、2014年5月に発効する。声明によれば、それまでに投与されたアナボリック・ステロイドの体内残留が消失する期間として6ヵ月の猶予が与えられる。

 現在オーストラリアでは、アナボリック・ステロイドは競走当日のみ禁止されているが、新しい禁止ルールは、“動物の健康維持の目的で投与が容認される”生後6ヵ月を超えるすべてのサラブレッドに適用される。

 ARBのCEOピーター・マクゴラン(Peter McGauran)氏は、「このアナボリック・ステロイドの使用禁止の決定は欧州以外のどの競馬統轄機関よりも先を行っており、ARB理事会が、獣医的・科学的助言および調教師協会や馬主協会との協議をもとにして長期にわたる検討の末に決定しました」と語った。

 同氏は次のように続けた。「ARBは、競走中、調教中および放牧中のアナボリック・ステロイド使用にゼロ・トレランス主義(zero tolerance: ゼロ以外は陽性)を適用することとしましたので、違反者に厳格な罰則を与えることになります。ARB理事会が最も考慮した点は、競馬における絶対的な公正確保と大衆からの信頼の必要性です」。

 「ステロイド使用はここ数年で調教師がほとんど頼らないレベルまで激減しましたが、ARBは、若馬の治療目的以外では使用できなくなることが競馬産業のためとなると確信しています」。

 「競馬はスポーツであり、馬およびその調教師と騎手の能力を試すものでなければならず、薬理学者、獣医師あるいはスポーツ科学者の能力を試すものではありません。アナボリック・ステロイドが一定の状況でもたらし得る不当な優位性を誰に対しても与えないことがスポーツにおける競争の真髄です」。

 ARBは、罰則が発表される時期とコンプライアンスを確実にするために取られるべき手順については言及しなかった。

 IFHA(国際競馬統轄機関連盟)のルイ・ロマネ(Louis Romanet)会長は声明において、オーストラリアのこの発表を以下のように称賛した。

 「ARBの競走中および調教中におけるアナボリック・ステロイド使用の全面禁止の発表を歓迎し拍手を送ります。ARBは、この歴史的決定を行ったことで称賛されるべきです。そして、IFHAのすべてのメンバー国が、(1) メンバー国の生産、競走、賭事に関するルールの調和と統一、(2) 生産界と大衆の両者の利益に適う競馬の質と公正の確保という更なる2つの重要目標のために、ステロイド使用禁止についてさらに検討していくことを期待しています」。

By Blood-Horse Staff

[bloodhorse.com 2013年9月16日「Australia Announces Total Ban on Steroids」]


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