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海外競馬情報
2013年10月20日  - No.10 - 6

復活祭前の聖金曜日に全国一斉厩舎開放日を催すアイデアが浮上(イギリス)【その他】


 ニューマーケットエプソムおよびモールトンでのオープンデー(厩舎開放日)の発起人は、宗教上の理由で競馬開催などありえないとされてきた復活祭前の聖金曜日における競馬開催の是非について激しい議論が続いていることを受けて、聖金曜日に“全国一斉厩舎開放日”を催す可能性とそれに伴う問題について話し合った。

 聖金曜日には競馬を開催しないという習慣を廃止することに熱心なリングフィールド競馬場とマッセルバラ競馬場の役員は、多くの来場者があり名声の確立したランボーンとミドルハムにおける慈善活動としての厩舎開放日には悪影響を与えずにレースを施行できると主張しているが、他場は不賛成である。

 ニューマーケットとモールトンは昨年、それぞれ14年ぶりと10年ぶりに厩舎開放日を復活させ、エプソムは毎年競馬開催のある晩夏と秋に厩舎開放日を催している。

 調教師兼ジャーナリストのチャーリー・ブルックス(Charlie Brooks)氏が今週話題とした “全国一斉厩舎開放日”というアイデアの実現に協力する気がニューマーケットにあるのであれば、聖金曜日にランボーンとミドルハムとともに厩舎開放日を開催することに、明らかな障害はないようだ。しかし、モールトンとエプソムはさらに考慮しなければならない。

 ニューマーケット調教師連合会(Newmarket Trainers Federation: NTF)のマーク・トンプキンス(Mark Tompkins)会長は、次のように語った。「良いアイデアで、うまく行くと思います。昨年ニューマーケットの厩舎開放日を復活させたとき、私たちはランボーンとミドルトンに迷惑をかけたくないと思いましたが、全国的なイベントならば支障は見当たりません」。

 「聖金曜日に競馬が施行されれば、ランボーンとミドルトンの厩舎開放日は台無しになってしまうでしょう。それは起きてはならないことです。私たちが皆、賞金増額と大規模な競馬開催を望んでいるのは確かですが、なぜ他の日ではだめなのかと思います」。

 8月のバンクホリデー前日のエプソムの厩舎開放日は、エプソム競馬場での2日間の開催前後に設定されており、サイモン・ダウ(Simon Dow)調教師は次のように語った。「私たちは競馬場と共に取り組んでいるので、“全国一斉厩舎開放日”がうまくスケジュールに合うとは限りません。組織やグループなどとよく話し合わなければならないでしょう」。

 モールトン競馬協会(Malton Racing Association)のティム・フィッツジェラルド(Tim FitzGerald)会長は、「モールトンとミドルハムはおそらくお互い近すぎるでしょう。たった1時間半しか離れていないので、厩舎開放日の価値が薄れてしまうでしょう」と語った。

 NTFのCEOルーパート・アーノルド(Rupert Arnold)氏は、聖金曜日を“全国一斉厩舎開放日”とする案について聞かれ、次のように語った。「非常に良いアイデアです。そのような方法で聖金曜日を特別なものにすることは、競馬にとって素晴らしいことです。皆が一緒に厩舎開放日を催すことが現実的かどうかは分かりませんが、見事なアイデアだと思います」。

 しかし同氏は次のように付け足した。「2014年の競馬開催日程配分の締切が迫っており、リングフィールド競馬場のオーナーであるアリーナレーシング社(Arena Racing Company)からの申し入れはすでに審議中なので、“全国一斉厩舎開放日”をいつに設定するかはなかなか難しい問題です」。

 “全国一斉厩舎開放日”の動きが順調に行けば、BHA理事会が開催日程の承認などを協議する予定の9月30日に、検討することとなっていた聖金曜日についての議論のもう1つの要素となるだろう。

 BHAは、聖金曜日の競馬開催を各競馬場に募っているが、その締切は明日で、その後に協議が開始される予定である。競馬場からの開催日程申請は、賞金基準(1日に13万5,000ポンド以上の交付)、役員の熱心さ、地理的条件、平均出走頭数および厩舎収容頭数を基に評価される。

 その評価項目のうち賞金交付額を13万5,000ポンド(約2,160万円)以上にするという点に関して、トンプキンス氏は次のように語った。「これはいつまで続くのでしょうか?BHAは、日曜日のレースはどれも最低で1万ポンド(約160万円)の価値にはなると言っていたので、私たちはその当時反対であったものの渋々ながら同意したのです。それが3,000ポンド(約48万円)の価値まで下がるのにそれほど時間はかかりませんでしたが、これと同じことが起ころうとしています」。

 ダウ氏は次のように同意した。「13万5,000ポンド(約2,160万円)は道理に基づいた額のように聞こえますが、日曜競馬が議論になったときも、1レースの価値は1万ポンド(約160万円)ほどにはなると言われたのに、そうはなりませんでした。私たちは今回は強い態度で臨まなければなりません。一旦同意してしまえば、誰も馬を出走させなかったとしても私たちには何ともしようがありませんから」。

 「またしても裏切られて、論議を呼ぶ開催日程について協議し、つまらない額のためにレースを施行する事態には陥りたくありません」。

 フィッツジェラルド氏は次のように語った。「聖金曜日にはレースを施行しないほうが良いと思います。賞金額引き上げは良いことですが、賞金額を引き上げるというのであればむしろ例えば日曜日のレース賞金額に改善の余地があると思います。聖金曜日に取り掛かる前に日曜日の問題を片付けましょう」。

By Jon Lees


ニューマーケットの厩舎開放日、ゴスデン調教師からの願ってもない後押しを獲得

 チャンピオントレーナーであるジョン・ゴスデン(John Gosden)調教師は、ベットフェア社(Betfair)がスポンサーを務めるニューマーケットの厩舎開放日に自身の厩舎を開放することを明言した。

 クレアヘイヴン調教場(Clarehaven Stables)で見られるスター馬には、愛チャンピオンS(G1)勝馬ザフューグ(The Fugue)、G1馬のウィンシリ(Winsili)とイルーシヴケイト(Elusive Kate)、そして英2000ギニーの出走オッズの1番人気馬で最近ソラリオS(G3)を優勝したキングマン(Kingman)がいる。

 厩舎開放日は、レーシングポスト紙がスポンサーを務めるウォレンヒル調教場(Warren Hill)における調教デモンストレーションで開始され、そのイベントでは、ゴドルフィン、セシル夫人(Lady Cecil)およびサー・マーク・プレスコット(Mark Prescott)調教師の厩舎から馬が出され、午前9時〜10時にポリトラック馬場でキャンターが行なわれる。

 その後午前10時〜午後1時まで30厩舎以上が門戸を開放し、英国競馬学校(British Racing School)ジョッキークラブタタゾールズ社(Tattersalls)国立競馬博物館(National Horseracing Museum)も開放される。

 ジョッキークラブエステーツ社(Jockey Club Estates)の調教場担当マネージャーであるニック・パットン(Nick Patton)氏は次のように語った。「ゴスデン調教師が今年厩舎を開放することに同意してくださったことに満足しています。この日が14年ぶりに開催された昨年の厩舎開放日と同様に成功を収めることを望んでいます」。

 午前中は町中でシャトルバスが運営され、遅い時間帯のフェリーで到着した観光客は、ゴドルフィン後援の騎手vs調教師のサッカー大会などが行われる午後のエンターテインメントを見るためにローリーマイルコースを訪れるだろう。

 パットン氏は次のように付言した。「騎手チームはテレビ番組の司会者であるジェレミー・カイル(Jeremy Kyle)氏が、また調教師チームは元ストライカーのミッキー・クイン(Micky Quinn)氏が監督を務める予定です」。

By David Milnes
(1ポンド=約160円)

[Racing Post 2013年9月11日「NTF backing for nationwide open day idea」]


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