カタール、5年以内の新競馬場建設を計画(カタール)【開催・運営】
カタールは国際競馬の中で大きな存在となっているが、今後5年以内により大きな2つ目の競馬場を建設する計画が立てられており、さらに大きな一歩を踏み出そうとしている。
2つのコースを持つアルライヤン競馬場に対し、3つの異なるコースからなるこの新競馬場のデザインは、現在大手建設業者数社により作成されつつあり、カタール競馬・馬術クラブ(Qatar Racing and Equestrian Club: QREC)が工事の入札手続きを始める来年早々には出来上がる見込みである。
QRECの事務局長サミ・ジャシム・アル-ボナイン(Sami Jassim Al Boenain)氏は、本紙にだけ次のように詳細を明かした。「カタール競馬は、馬主、調教師、賞金額が増加し、馬の質の面でも向上しており、まさに発展しつつありますが、アルライヤン競馬場は住宅地に囲まれているために拡大することができません」。
「したがって、首長のハマド・ビン・ハリーファ・アル-サーニ殿下(Sheikh Hamad Bin Khalifa Al Thani)とその息子で確実な後継者のタミム殿下(Sheikh Tamim)、および首長の特別顧問であるアブドゥラ殿下(Sheikh Abdullah)の多大な支援で、新しい競馬場を建設することを決定しました」。
「世界中の主要競馬場すべてを検討し、それぞれの最も素晴らしい要素を採用するでしょう。しかし、交通の便、サービス、風通しや日当たりの良さなどの自然環境を考慮に入れなければなりません」。
今年1月よりレーシングマネージャーも兼務しているボナイン氏は、「細かいタイムスケジュールはまだありませんが、少なくとも5年以内には完成するでしょう。カタールは2022年にサッカー・ワールドカップの開催地となるのでちょうど良いタイミングです」と語った。
芝と砂のコースを持ちこの3年で大きく発展したアルライヤン競馬場は、運営を続行するが、人工馬場を持つ新しい競馬場が完成すれば2月の3日開催などの主要競走の大半は、新しい競馬施設に移されるだろう。
国際アラブ競馬連盟(International Federation of Arabian Horseracing Authorities)の会長で、QREC理事会の事務局長でもあるボナイン氏は、「私たちは、英国、アイルランド、フランス、日本、オーストラリア、シンガポールおよび中東などの国々の統轄機関と最高水準の競馬を共有したいと思っています」と語った。
カタールの10月31日に開幕した新シーズンは、55に増加した開催日数と、ほぼ倍増した賞金が目玉となるだろう。
ボナイン氏は次のように語った。「昨年の年度代表馬ベリーナイスネーム(Very Nice Name)が今年のドバイシーマクラシックで3着となったことで分かるように、カタールの馬の質は良化しつつあります。今年も素晴らしい馬が何頭か出て来るでしょうし、その中には今週アイルランドのセリで購買される馬も含まれるだろうと思います」。
By Howard Wright
(関連記事)海外競馬情報 2012年No.4「カタールの急速な競馬発展(カタール)」
[Racing Post 2013年11月19日「Qatar to build new racecourse」]