BHA、ニューキャッスル競馬場のオールウェザーのナイターを認めず(イギリス)【開催・運営】
BHA(英国競馬統轄機構)は9月2日、ニューキャッスル競馬場が新しいオールウェザー馬場でナイター競馬を施行することに特別免除を与えないことを決め、同場を所有するアリーナレーシング社(Arena Racing Company: ARC)に対してオールウェザーでの競馬開始を2016年まで遅らせるよう求めた。
ARCは総工費1,000万ポンド(約17億5,000万円)で芝コースをオールウェザー馬場(タペタ)に転換することを計画していた。
しかし、ニューキャッスル競馬場では直線マイルコースにしか照明がなく、「一日の平地競馬番組にマイル(約1600m)以上の競走を2レース含み、さらに2レース合計で約4000m以上なければならない」とするルール(F)26.1を遵守できないために、同場が冬場にナイターを施行するにはBHAにそのルールの適用を免除してもらう必要があった。
ホースメングループ(Horsemen’s Group)がこの適用免除に反対する一方で、同場の芝コースを守る大規模な運動が開始されていた。
BHA理事会は9月1日に会合を行い、適用免除とするには十分な正当性がないと決定した。
そして、キャタリック競馬場の全面的なオールウェザーのナイター開催との均衡を考慮しつつ、2016年の競馬開催日程を編成する前に、北部地方のオールウェザー競馬についてさらなる協議が行われるだろうとBHA理事会は付け加えた。
BHAのCEOポール・ビター(Paul Bittar)氏は次のように語った。「利害関係者の間で、競馬界は北部地方でオールウェザー競馬を行うことで恩恵を得られるという全体的な合意があります。これはBHAの最近の再調査や利害関係者との公式な接触を通じて明らかになったホースマンの明快な要求に裏付けられています」。
「私たちは、2015年後半に北部地方のニューキャッスル競馬場にオールウェザーのナイター競馬を導入することの利益と、重要な競馬ルールの適用免除でもたらされる競馬開催日程計画への悪影響や競馬界全体に与える様々な影響を比較考慮しました。結果として、BHA理事会は2015年競馬開催日程でこのルールの適用免除を正当化する根拠は十分でないとの結論に至りました」。
「BHAは、現存の芝コースに関する事柄などニューキャッスル競馬場の計画についてARCと、そしてキャテリック競馬場など利害関係のある団体と引き続き協議する予定です」。
「これは英国競馬の長期的な体制とその発展にとって明らかに大きな課題であり、BHAは競馬界全体にとって最善の結論を導き出す任務を負っています」。
「競馬界にとっての選択肢は来年の春には明らかになるものと考えており、BHA理事会で再検討されることになります。時期的にも、2016年競馬開催日程の作成と、開催日程配分プロセスに新設競馬場や馬場を転換する競馬場を入れるための承認を与えるのにちょうど良い時期です」。
ARCは、今回の結論にめげることなくニューキャッスル競馬場の計画に引き続き全力を傾け、2016年にオールウェザー競馬を確実に開催するために取り組んでいくと語った。
ARCのトニー・ケリー(Tony Kelly)社長は次のように語った。「ニューキャッスル競馬場の馬場転換は、ウォルヴァーハンプトン競馬場のタペタ馬場敷設(総工費200万ポンド(約3億5,000万円))や、昨年成功を収めたオールウェザーチャンピオンシップ設立に続き、ARCが実行したことのない最大の投資計画です」。
「北部地方がオールウェザー馬場から恩恵を受けることははっきりしています。これには、より頻繁に競馬を施行することができ、一年を通じて馬を出走させやすくする競馬番組の改善や馬主の遠征費負担の軽減が含まれています。ニューキャッスル競馬場の計画は、ホースマンにこれらの恩恵をもたらすのに最も実行可能な選択肢であることに変わりありません」。
「私たちはBHAと一緒に引き続き取組み、2015年8月にはこのエキサイティングな計画を実行に移すことを心待ちにしています」。
ニューキャッスル競馬場の専務理事デヴィッド・ウィリアムソン(David Williamson)氏は次のように付け加えた。「ニューキャッスル競馬場にとってこれは野心的で一流の計画です。2016年半ばまでに完成予定の競馬場施設は、私たちが北部地方のホースマンのニーズに一層応えられるようにするだけでなく、この町を国際舞台にしっかりと立たせて、新たな訪問客を惹きつけ、地元に雇用を生み出すことになるでしょう」。
By Bill Barber
(1ポンド=約175円)
[Racing Post 2014年9月2日「BHA halts Newcastle floodlit all-weather plans」]