ケンタッキー州、フロセミド禁止レースを認めるルールを承認(アメリカ)【獣医・診療】
3月23日、ケンタッキー州競馬委員会(Kentucky Horse Racing Commission: KHRC)は、州内競馬場の施行ルールにより、発走の24時間前からフロセミド(商品名ラシックス、別名サリックス)の使用を禁止するレースを承認した。賛成8票、反対4票であった。
キーンランド協会(Keeneland Association)のビル・トマソン(Bill Thomason)理事長は、「キーンランド競馬場はこのルールを支持します」と述べた。フロセミドは運動誘導性肺出血(exercise-induced pulmonary hemorrhage)の予防と抑制を目的に使用されているが、このルールにより、それを禁止するレースの施行が可能になる。競馬関係者の中には、ブリーダーズカップ開催においてフロセミドの使用を禁止するため、キーンランド競馬場がこのルールの導入を進めたと憶測する者もいた。しかし、トマソン理事長は、「2016年までに、このルールが実施されるとは思っていません」と述べた。
キーンランド協会のロジャーズ・ビーズリー(Rogers Beasley)競走担当理事は、キーンランド競馬場は来年の春と秋に、2歳馬を対象とする限定数のサリックス禁止レースの施行を予定していることを表明している。
このルールにより、競馬場は競馬番組にその要件を掲載すること、または出走馬関係者にその要件を周知することが必要となる。なお、「競馬場はすべてのレースをサリックス禁止とするのではないか?」と考えたKHRCの委員は、このルールに反対票を投じた。
ケンタッキー州ホースマン救済協会(Kentucky Horsemen’s Benevolent and Protective Association)は、このルールに反対する請願書の署名を集めた。請願書には、「これは、2015年のブリーダーズカップ開催において、ラシックスを禁止する先触れといえる。また、競馬番組に記載するだけで、すべての競走をラシックス禁止レースにしてしまうことの始まりとも解釈できる」と記されている。
KHRCのマーク・ギルフォイル(Marc Guilfoil)競走担当理事は、「このルールの起草者は、今年のブリーダーズカップ前のルールの実施を望んではいませんでした」と述べた。このルールは州の立法調査委員会で精査される必要があり、その後は意見公募を経て、おそらく公聴会が実施されるであろう。
By Frank Angst
[bloodhorse.com 2015年3月23日「KHRC Approves Regulation for Salix-Free Races」]