ルイ・ロマネ氏がIFHA会長に再選(国際)【開催・運営】
長年在任している国際サッカー連盟(FIFA)会長が、対立的な状況の中で辞任の準備をしている。一方、ルイ・ロマネ(Louis Romanet)氏は、6月3日に圧倒的な信任投票を得て、8期連続でIFHA(国際競馬統轄機関連盟)会長に再選された。
役員選出などを議題とするIFHA執行協議会は、第1回パンアメリカン会議(Pan American Conference 6月4日・5日)の序曲として、ニューヨークで開催された。このとき、FIFAのゼップ・ブラッター(Sepp Blatter)会長の辞任劇のようなことは起こらなかった(訳注:ブラッター氏はFIFA汚職事件の最中に5期目の当選を果たすが、4日後の6月2日に辞任の意向を表明)。BHA(英国競馬統轄機構)のCEOであるニック・ラスト(Nick Rust)氏は、メンバーとして初めて執行協議会に出席し、ロマネ氏の再選を提案した。元フランスギャロ事務総長のロマネ氏の再選は、満場一致で歓迎された。
67歳のロマネ氏は、1994年のIFHA創設時から会長を務めており、次の任期(3年間)は10月のIFHA年次総会(通称:パリ会議)から開始となる。
ロマネ会長は、「再選されたことを、光栄に思います。私たちは素晴らしいチームを築いており、世界の異なる地域を代表する3名の副会長が会長を支える体制は、極めてうまく機能しています」と語った。
IFHA執行協議会は、今後3年間の副会長3名も再選した。すなわち、香港ジョッキークラブのウィンフリード・エンゲルブレヒト-ブレスケス(Winfried Engelbrecht-Bresges)氏(アジア担当)、米国ジョッキークラブのジェームズ・ギャグリアーノ(James Gagliano)氏(アメリカ担当)、ブライアン・カヴァナー(Brian Kavanagh)氏(欧州担当)である。
ロマネ会長は、10月のパリ会議において新たな3年計画を発表するだろう。この計画は、“国際的事案について適切な規制と慣行を促進する”というIFHAの使命に基づくものである。
ロマネ会長があげた主要目標は、次のとおりである。(1) 検査施設の承認による世界的なアンチドーピングの実施、(2) 薬物検査と競技外検査の統一、(3) すべてのメンバー国における競走当日の薬物使用禁止、(4) 競走当日ルールの統一化。
IFHAは、世界中の競馬産業を統轄する単一代表団体であり、主要競馬国をはじめとする50ヵ国以上のメンバー国から構成されている。生産と競走における公正性を維持するためにルールを統一すること、競馬に関わる人馬の福祉を保護すること、競馬および賭事商品の公正取引を促進することを主要目標として創設された。
By Howard Wright in New York
[Racing Post 2015年6月5日「Romanet re-elected as IFHA chairman」]