イタリアの2014年生産頭数、1,000頭を大きく下回る(イタリア)【生産】
イタリアの2014年の生産頭数は1,000頭を大きく下回り、血統登録されたのは620頭であった。
イタリアの競馬界と生産界は、2008年の世界金融危機以降、ずっと苦戦している。
イタリアの生産頭数は、2009年(金融危機前に受胎)から毎年減少している。2014年の生産頭数は、2009年から63%減少した。同時期における英国の生産頭数は23%減少し、4,328頭となった。また、アイルランドの2014年の生産頭数は、2009年の1万167頭から7,999頭に減少したが、前年との比較では3%増加した。
昨年、ヨーロッパ・パターン競走委員会(European Pattern Committee)は、賞金の支払い遅延を理由に、イタリアから重賞格付けをはく奪しようとした。後に、海外馬主に対して賞金を適切に支払う保証がなされたことにより、イタリアの重賞競走は存続された。
2012年イタリア政府は、優良牝馬を有する生産者が、血統の改良のために種付料の25%〜40%を還付請求できる優遇制度を打ち切った。
5年間で首相が4回も交代した不安定な政府の影響を受けたのは、生産界のみではないが、昨年のリーディングブリーダーであるステファノ・ルキアニ(Stefano Luciani)氏は、次のように語った。
「主な問題は、何年にもわたって競馬の管理運営体制に持続性が欠けていたことです。競馬統轄機関が目まぐるしく代わりました。最初はUNIRE(Unione Nazionale per l’Incremento delle Razze Equine)でしたが、ASSI(Agenzia per lo sviluppo del settore ippico)となり、その後は農林政策省に吸収されました」。
1年前からムジャヒド(Mujahidシャドウェル牧場生産)をベスナーテ牧場(Allevamento di Besnate)で供用している生産者のパオロ・クレスピ(Paolo Crespi)氏は、2014年の生産頭数は700頭を下回ると予測していた。生産頭数の減少は、少頭数レースによる賭事売上げの減少と賞金額の減少を招来し、さらにイタリア競馬を衰退させるだろう。
イタリア出身の偉大な競走馬としては、ノーザンダンサー(Northern Dancer)の祖父ネアルコ(Nearco)や、凱旋門賞2勝のリボー(Ribot)、最近ではトップマイラーのリップヴァンウィンクル(Rip Van Winkle)が知られている。
By Katherine Fidler
[Racing Post 2015年6月30日「Italian foal crop numbers continues to fall」]