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海外競馬情報
2015年08月20日  - No.8 - 2

2017年から血統登録にマイクロチップ利用を義務化(アメリカ)【生産】


 8月9日、米国ジョッキークラブ理事会は、“アメリカ血統書の主要登録規程および要件(Principal Rules and Requirements of The American Stud Book)”のいくつかの条項の変更を、投票により承認した。これによって、2017年から、仔馬へのマイクロチップ埋め込みが血統登録の要件となる。

 マイクロチップは、サラブレッドの一生における有効な個体識別方法として、現行の白斑・旋毛の確認とともに利用されるだろう。

 マイクロチップ埋め込みの義務化は、2017年誕生の仔馬から開始される。マイクロチップは、すべての血統登録申請書と遺伝子サンプルキットとともに、馬主へ送付される。2016年については、馬主は仔馬の出生報告の際に、血統登録申請書および遺伝子サンプルキットとともに、無料マイクロチップを要求できる。登録料の引上げはない。

 第63回ジョッキークラブ年次円卓会議(63rd Annual Round Table Conference)において、ジョッキークラブの登録担当であるリック・ベイリー(Rick Bailey)氏は、次のように語った。「14年前に導入されたDNA型検査の発達は、技術が信頼性と効率性を高めた良い例です。サラブレッドの個体識別において、マイクロチップも同様のものとなるはずです」。

 マイクロチップの利用は、英国、フランス、アイルランド、豪州、南アフリカ、ドイツ、イタリア、ニュージーランドなどの国々において、サラブレッドの血統登録の際に義務付けられている。

 ジョッキークラブの上席副理事長兼専務理事であるマット・ユリアノ(Matt Iuliano)氏は、次のように語った。「マイクロチップの利用は、サラブレッドの個体識別を向上させるうえで、迅速、安全かつ効果的な措置です。世界中のあらゆる国々での成功が、証明されています。現行の白斑・旋毛の確認とともに、マイクロチップは、サラブレッドの一生において、個体識別プロセスの信頼性と効率性を高めるでしょう」。

 無線自動識別装置(RFID)であるマイクロチップは、マイクロチップリーダーからの電波信号を受信することで作動する。その後、マイクロチップはその番号をスキャナーに発信する。マイクロチップとスキャナー間の相互作用は1秒以内であり、迅速な個体識別を可能にする。

 ベイリー氏は、次のように語った。「マイクロチップ読込みにより、得られた馬のデータを表示するソフトウェアの利用が可能です。このデータには、血統、競走成績、健康に関する記録が含まれます。これにより、迅速な情報伝達が可能となります」。

 ケンタッキー州レキシントン近郊のジャドモント牧場(Juddmonte Farms)のマネージャーであるギャレット・オールーク(Garrett O'Rourke)氏は、次のように語った。「私たちはこの数年、欧州で出走させる米国産の仔馬に、マイクロチップを埋め込んでいます。これは簡単かつ安全です。マイクロチップは、サラブレッドの個体識別にあたり大変実用的であるため、不可欠なものになるでしょう。これにより可能性が開け、馬をより良く管理できるようになるでしょう」。

 1894年の創立以来、サラブレッドの生産と競走の向上に取組んできた米国ジョッキークラブは、北米のサラブレッドの血統登録機関でもある。ジョッキークラブは、この任務を果たすために重要な産業イニシアティブを支援し、リーダーシップを発揮してきた。また、馬主、生産者、メディア、ファン、牧場などの要望に応え、情報と技術を提供している。更なる情報は、ジョッキークラブのHP(jockeyclub.com)で閲覧可能である。

By Blood-Horse Staff

[bloodhorse.com 2015年8月9日「The Jockey Club to Require Microchips in 2017」]


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