ロンシャン競馬場改築工事に伴う競馬番組の変更(フランス) 【開催・運営】
新旧事務局長をはじめとするフランスギャロ(France Galop)の幹部は2月29日午前、ブーローニュの本部において2016年競馬番組を発表し、ロンシャン競馬場改築工事にともなう変更について解説した。
ロンシャン競馬場の改装工事はフランスの平地競馬番組に大きな変化をもたらし、30開催日が他の競馬場に移行された。各馬が勝ち上がって行くうえで信頼性ある競馬番組を維持するよう努められた。
凱旋門賞(G1・10月2日)はシャンティイ競馬場で、両ギニー競走(G1・5月15日)はドーヴィル競馬場の直線コースで施行されるなど、2016年競馬番組はユニークで熟慮された編成となる。
1年で最初のG1競走であるガネー賞(G1)は、5月1日にサンクルー競馬場で施行される。ただし、シャンティイ競馬場で施行されるダルクール賞(G2・4月10日)の後となる。
ラフォルス賞(G3・4月3日)はグレフュール賞(G2・5月8日)と同じくサンクルー競馬場の2000mで施行されるが、他の全ての仏ダービー(G1)のステップレースはシャンティイ競馬場で施行される。3歳牝馬の競走では、サンタラリー賞(G1・5月16日)が両ギニー競走開催日の翌日にドーヴィル競馬場で施行されるという大きな変更がある。その結果、このレースの優勝馬は仏オークス(G1・6月19日)まで例年よりも長い期間を置くことができる。
フランス革命記念日(7月14日)に施行されるパリ大賞典(G1)とモーリスドニユイル賞(G2)はサンクルー競馬場に移される。凱旋門賞の一連のステップレースは9月11日にシャンティイ競馬場で施行されるが、プランスドランジュ賞(G3・9月17日)はパレロワイヤル賞(G3・6月4日)と同様にメゾンラフィット競馬場に移される。
大きな混乱を引き起こさないために、従来の競馬番組の根幹部分に変更はない。しかし、ロンシャン競馬場の競馬再開を待ちながら暫定的に組まれた"仮住まい"の競馬番組が上々な出来であるのも、不思議なものである。この経験はある程度有益なものとなるかもしれない。
他の重要な事項
ベルトランドタラゴン賞(メゾンラフィット競馬場)はG3に昇格した。
付加価値税引上げの影響を直接受けて、現役馬の頭数が2年前から4%減少した。これにより、フランスギャロは場内馬券発売のみのレースの数を2年間(2016-17年)で5%削減する予定である。今年は148レース(平地85レース、障害63レース)が削減され、プレミアム開催に出走馬を集中させることを目指す。新馬戦以外のすべてのクラスのレースに影響を与える1レース当たりの平均出走頭数の減少は、主要な懸念事項である。
レースを日程的・地理的な観点から適切に配分すること、競走条件の再編により競馬番組を流動的なものにすること、そして出走資格を緩和することを目標に、番組編成には熟考が重ねられている。今年に入ってからの2ヵ月間で見られたわずかに明るい兆候は、プレミアム開催の1レース当たりの平均出走頭数が2%増の12.6頭となったことである。
障害競走
障害競走においては、アグアド賞、サガン賞、オペール賞、ロマティ賞がG3に昇格したことが、最も大きなニュースである。また、分割ハンデ競走(handicap divisé)の第2レース(deuxième épreuve)の総賞金は5万ユーロ(約625万円)から5万5,000ユーロ(約688万円)に引き上げられた。フランスギャロの副会長(障害競走担当)であるジャン・ダンディ(Jean d'Indy)氏は結論として、「賞金を安定させなければならない一方でその資金は停滞しつつあるので、調整に苦労しています。より多くの資金があれば、もう少し想像力を発揮することができるのでしょうが」と述べた。
By François-Charles Truffe
(1ユーロ=約125円)
[Racing Post 2016年3月2日「L'originalité raisonnée」]