フランスギャロ、出走頭数減少への対策を模索(フランス)【開催・運営】
フランスギャロ(France Galop)のオリヴィエ・ドロワ(Olivier Delloye)事務総長は、「1レース当たりの平均出走頭数の減少は懸念すべき問題です」と率直に述べた。フランスギャロは、PMU(フランス場外馬券発売公社)の売上げを左右する平均出走頭数を日々精査している。
しかし、その数字は前年と比較してそれほど減少していない。2016年1月1日から6月1日までの期間、1レース当たりの平均出走頭数は、平地競走で11.5頭(前年と同じ)、障害競走で10.7頭(前年:10.9頭)であった。むしろ、2015年に激減していたと言った方が適切である。2016年は"好調"には及ばず"悪化していない"にとどまっている。競馬番組担当理事のフランソワ・ブラール(François Boulard)氏は、「フランスギャロが示している出走頭数は、出馬投票の段階での数字です。競馬場での競走除外は反映されていません」と述べた。
現役馬の減少
この数字を説明するには、現役馬減少との関係を見なければならない。2016年6月1日現在、現役馬頭数は1万132頭であり、2015年より1%、2014年より3%少ない。ブラール氏は次のように語った。「現役馬頭数は前年と比較してパリ地域では5%減少し、その他の地域では1%減少しました。地域間でも大きな差異があり、南西部では3%増、ノルマンディー地域では3%増、西部全体では1%増であったのに対し、中東部では6%減、南東部では4%減でした。中東部と南東部では出走頭数に減少が見られました」。
ドロワ事務総長が説明するように、馬主の大幅な減少により現役馬頭数が減少するのは理に適っている。「2009年~2015年に馬主の数は13%減少しました。とりわけ、フランスに居住する馬主が減少しました。これは付加価値税の継続的な引上げが原因だと考えられています。また、各馬主が所有する現役馬の頭数も減少しています」。
少頭数のレース
フランスギャロとPMUにとって深刻な問題となっているのは、今年特に高くなっている出走頭数7頭以下の少頭数レースの割合である。全レースに対する出走頭数7頭以下のレースの割合は、平地で17%(前年15%)、障害で17%(前年16.5%)であり、少頭数レースはとりわけB・Dクラスの条件戦(2歳・3歳・古馬)に集中している。
当然のことながら、フランスギャロは何もせずに傍観しているわけではない。「現在、少頭数レースの割合を低下させるための対策を模索しており、下半期に実施する予定です」とブラール氏は語った。
新しい追加登録制度
ドロワ事務総長は検討中の対策について詳細を語った。「検討中の対策の1つ目は、開催日程を季節的条件および地理的条件を軸に最適化することです。皆の利益となるのであれば、いかなる変更もためらいません。3年前には同一タイプのレースが重複しても、全く問題が生じませんでしたが、今では状況が違います。とりわけ、場外馬券を発売しない障害競走の開催は不振です。2つ目は競馬番組に関係する対策です。構造的に少頭数となってしまうレースに対応します。競走条件をあまり問わない、オープンで分かりやすいレースの施行を意識して、競馬番組の再編成に取り組みます。また、出馬投票後に二重追加登録ができる制度を確立します。これにより、多くのレースにおいて生じた"穴"を埋め合わせられると考えます。障害競走については、条件戦を減らして、ハンデ戦の割合を高めなければなりません。慎重でありつつも、あらゆることを試してみなければなりません。タブーなどありません。
レース数削減は検討せず
ドロワ氏が認めるように、レース数削減は検討対象に入っていない。ブラール氏はこの点について明言した。「すでに今年、場内馬券発売しかないレースの数を少し削減しました。この措置による影響を評価しなければなりません。レース数をさらに削減するという結論を得るには至っていません。ただ、我々が感じていることが今は現れていないとしても、行動を取ることが迫られています。なぜなら、出走頭数は賭事客とPMUにとって極めて重要な問題だからです」。
By François Moreau
(1ユーロ=約115円)
[Paris Turf 2016年6月16日「Les partants, ce cheval de bataille」]