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2017年01月20日  - No.1 - 4

供用1年目のアメリカンファラオのもとに集まった優良牝馬(国際)【生産】


 世界中の多くの一流生産者たちは、2016年に種牡馬入りした37年ぶりの米国三冠馬アメリカンファラオ(American Pharoah 父パイオニアオブザナイル)のもとに、優良牝馬を送った。うち12の生産者は、欧州G1優勝牝馬あるいはG1馬の母を同馬と交配させている。

 米国ジョッキークラブとクールモア牧場が発表したデータによれば、アメリカンファラオの初年度の種付牝馬208頭のうち55頭(26%)がG1優勝牝馬あるいはG1馬の母であった。そして、多くの牝馬がG1馬の姉妹あるいは娘であった。アメリカンファラオは、クールモア牧場が所有するアシュフォードスタッド(Ashford Stud レキシントン近郊)で供用されている。

 欧州やアジアの著名な生産者がアメリカンファラオを支持している。それは、アガ・カーン殿下、ニアルコスファミリー(Niarchos family)、吉田照哉氏の社台ファーム、ジャドモントファーム、バロンズタウンスタッド(Barronstown Stud)、チャイナホースクラブ(China Horse Club)、下河辺牧場、アルシャカブレーシング社(Al Shaqab)、カタールブラッドストック社(Qatar Bloodstock)、フライアーズタウンスタッド(Friarstown Stud)、カマスパークスタッド(Camas Park Stud)、サンペール牧場(Haras de Saint Pair)、モンソー牧場(Ecurie des Monceaux)などである。

 クールモア牧場は、モイグレアスタッドS(G1)優勝馬メイビー(Maybe)や愛オークス(G1)優勝馬ブレスレット(Bracelet)の母チェリーヒントン(Cherry Hinton)をはじめ、12頭以上の牝馬をアメリカンファラオと交配させた。

 アシュフォードスタッドのダーモット・ライアン(Dermot Ryan)場長はこう語った。「クールモア牧場は2015年の米国年度代表馬アメリカンファラオを世界トップクラスの種牡馬に仕立て上げることに専念しています。2017年1月から誕生し始める初年度産駒のうちの数頭を、アイルランドに輸送して調教することを心待ちにしています」。

 「アメリカンファラオは国際的に通用するでしょう。2015年の活躍ぶりが世界中の生産者の心に響きました。彼は世界のトップクラスの生産者たちから支援されています。私たちもアイルランドから最も優れた牝馬を多数送り込むなどして、彼を支援しています」。

 「アメリカンファラオには、世界を舞台にその力量を発揮する様々なチャンスが与えられるでしょう」。

 そして、"アメリカンファラオは機会さえ与えられていれば芝レースでも勝てただろう"とボブ・バファート(Bob Baffert)調教師が確信していたと述べ、こう続けた。

 「アメリカンファラオはどの馬場でもこなせると思われる万能馬です。毎年彼を支援し続け、その優良産駒数頭をアイルランドのエイダン・オブライエン(Aidan O'Brien)厩舎に送りたいと思います。それはどのような若い種牡馬にとっても大きな後押しとなるでしょう」。

 「私たちはアメリカンファラオを国際舞台で成功させることに熱心に取り組んでいます。多くの一流生産者が優良牝馬で彼を支援してくれれば、彼はあらゆる場所で注目を浴びることでしょう」。

 2016年のシルヴァーフラッシュS(G3)で優勝しマルセルブサック賞(G1)で2着となったプロミストゥビートゥルー(Promise To Be True)の全姉でもあるメイビーは、日本からケンタッキーに向かう。メイビーは日本でディープインパクト産駒2頭を出産した。そのうち2歳牝駒パヴレンコ(Pavlenko)はオブライエン厩舎で調教されている。

 チェリーヒントン(父グリーンデザート、母アーバンシー)は、ガリレオの半妹でシーザスターズの半姉でもあるが、2015年にアイルランドで、2016年2月にケンタッキーで、いずれもキャメロット牝駒を出産している。

 他にクールモア牧場が2016年春、アメリカンファラオに送った牝馬は以下のとおりである。

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 一方、世界中の生産者は、種付料20万ドル(約2,300万円)で2頭種付できるというクールモアの提示を歓迎しているに違いない。記録によれば、多くの生産者がアメリカンファラオに2頭の牝馬を送り、中には4頭あるいは6頭送った生産者もいる。

 クールモア牧場のリーダーであるジョン・マグニア(John Magnier)氏の旧友デヴィッド・ネーグル(David Nagle)氏が所有するバロンズタウンスタッドは、次の4頭の良血牝馬をアメリカンファラオのもとに送った。

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 アガ・カーン・スタッドは、2頭の牝馬をアメリカンファラオのもとに送った。

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 ニアルコスファミリーのフラックスマンホールディングス社(Flaxman Holdings)は、3頭の牝馬をアメリカンファラオのもとに送った。

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 モヒニはアメリカンファラオ産駒(初仔)を受胎した状態でキーンランド11月セールに上場されたが、指定した最低価格の52万5,000ドル(約6,038万円)には届かなかった。

 ケンタッキーの11月繁殖セールでは、モヒニの他にアメリカンファラオ産駒を受胎した牝馬11頭が上場され、うち10頭が購買された。その平均価格は49万2,500ドル(約5,664万円)であった。それらの購買者には、ノーザンファームの吉田勝己氏、ドバイワールドカップ(G1)優勝馬カリフォルニアクローム(California Chrome)の共同馬主ペリー・マーティン(Perry Martin)氏、ビーホルダー(Beholder 2012年最優秀2歳牝馬・2013年最優秀3歳牝馬)を生産したクラークランド牧場(Clarkland Farm)、そしてチャイナホースクラブがいた。

 チャイナホースクラブは、アメリカンファラオ産駒を受胎したラウドリー(Loudly 父ウォーフロント)を32万5,000ドル(約3,738万円)で購買した。また、2014年に280万ドル(約3億2,200万円)で購買したG1馬イオタパ(Iotapa 父アフリートアレックス)と、G2馬ダンダークダスト(Dundalk Dust 父ミリタリー)をアメリカンファラオのもとに送った。

 マクツーム一族は、その所有する世界トップクラスの優良牝馬をアメリカンファラオのもとに送っていない。同一族は長年、クールモア牧場の種牡馬のもとに牝馬を送っておらず、これは伝統となりつつある。反対に、クールモア牧場も同一族のダーレー牧場やシャドウェル牧場の種牡馬のもとに牝馬を送っていない。

 しかし、北米の最も成功している事業体をはじめとする生産者にはためらいはなかった。アメリカンファラオは、種牡馬としての役目にすぐに適応していった。

 ライアン場長はこう語った。「アメリカンファラオはちょうど1年前にアシュフォードスタッドに到着しました。スタッフ全員にとって、彼の世話をすることは光栄なことです。彼は優れた気性を持っており、何をするにしても本当にうれしそうでした。彼はすぐに種付活動に慣れ、初年度は非常に上手く行きました」。

 他にアメリカンファラオに送られた牝馬の中で最も実績のある牝馬は、以下のとおりである。


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欧州の生産者がアメリカンファラオのもとに送った繁殖牝馬

 米国ジョッキークラブの最新のデータによれば、他にも以下の欧州の生産者がアメリカンファラオを支援している。

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 なお、ラニーミードファームは、3頭のステークス勝馬の半妹でアメリカンファラオ産駒を受胎していたマーゲイトガーデンズ(Margate Gardens)をキーンランド11月セールで購買している。

By Michele MacDonald

(1ドル=約115円、1ユーロ=約120円)

[Racing Post 2016年12月14日「Pharoah's first book packed with international glomour mares」]


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