PMU、2016年は好調な国際競馬賭事が国内の不振をカバー(フランス)【開催・運営】
2016年のPMU(フランス場外馬券発売公社)の発売金総額は、前年比0.6%減の97億3,800万ユーロ(約1兆1,685億6,000万円)となった。しかし、この数字は多くの不均衡を覆い隠している。
PMUのグザヴィエ・ユルステル(Xavier Hurstel)会長は1月10日、ラジオクラシック(Radio Classique)においてこう語った。「PMUはよく持ちこたえました。フランス国内の競馬賭事売上げが不振だったにもかかわらず、国際競馬賭事で大幅な成長を達成しました(29%増)。2016年は、フランス競馬を対象にした海外での発売金は10億ユーロ(約1,200億円)を超えました。またオンラインスポーツ賭事も大きな飛躍を遂げました(約20%増)」。
ユルステル会長が挙げたこれらの部門はとりわけ順調であり、フランス国内の競馬賭事(PMU店舗・オンラインの両方)で受けた打撃を和らげるのに役立っている。実際、国内の競馬賭事の発売金は前年比で2014年に6.3%減、2015年に2.9%減となり、2016年には前年の81億8,400万ユーロ(約9,820億8,000万円)から4%減の78億5,400万ユーロ(約9,424億8,000万円)となった。
国内競馬賭事の発売金はとりわけ3月・6月・8月・9月に減少し、純利益が激減したことで、競馬統轄機関の予算には打撃となった。PMU店舗のうち7,300店が改装されたが、その設備近代化の成果は"まだ"確認されていない。競馬賭事の払戻率は宝くじで適用されている率よりも依然高いが、2015年の73.8%に対し、2016年は73.2%に引き下げられ、これにより粗利益が増加した。
競争監視局(l'Autorité de la concurrence)により「PMU店舗・場内馬券・電話投票」と「インターネット投票」の賭事プールの分離が義務付けられたことで、事業費は1億2,000万ユーロ(約144億円)に膨れ上がり、インターネットの競馬賭事部門は大いに苦戦した。このような緊迫した状況にあるが、PMUはかつてないほど競馬賭事をアピールしようとしており、その声明で将来に向けて苦境を乗り越えるためにあらゆる手段を使う意思を表明している。2017年はどのような年になるのだろうか?欧州の競馬賭事のリーダーであるPMUは2017年、力強く迅速な戦略に基づき、競馬賭事において1.2%の成長を目指している。経済ではなく農業の言葉を借りれば、2016年は種まきの時期で、2017年は収獲の時期となるだろう。その結果は1年後に明らかになる。
By Sylvain Copier
(1ユーロ=約120円)
[Paris Turf 2017年1月11日「La relance du pari hippique se fait désirer en France」]