イスラエル政府、年初から競馬賭事提供を禁止(イスラエル) 【開催・運営】
イスラエルでは1月1日からスポーツ賭事を禁止している。このため、イスラエル政府は、英国とアイルランドの競馬賭事を配信するGBIレーシング社(GBI Racing)に解決金として約500万ポンド(約7億7,500万円)を支払う。
レーシングUK社(Racing UK)とアットザレーシズ社(At The Races)の合弁会社であるGBIレーシング社は、イスラエル・スポーツ賭事委員会(Israel Sports Betting Board)と8月までの契約を交わしていた。これにより英国とアイルランドの競馬賭事はイスラエルで提供されていたが、イスラエルでの大規模な国営賭事反対キャンペーンの一環としてこのビジネスは中止に追い込まれた。
イスラエルのモシェ・カハロン(Moshe Kahlon)財務大臣は、賭事が創出する収入を"汚れた金"と表現していた。
GBIレーシング社によれば、イスラエル財務省は1月1日から競馬賭事運営を中止し、2,300万シェケル(約500万ポンド)の解決金を支払うことを承認した。
イスラエルでの競馬賭事は2013年に開始されたばかりである。しかし、同国からは年間約400万ポンド(約6億2,000万円)の収入があり、すぐにGBIレーシング社の取引国のトップ5に入った。
GBIレーシング社のスポークスマンはこう語った。「GBIレーシング社がこの4年半の間にイスラエルで達成した躍進を考えると、競馬賭事の中止は残念です。イスラエルには競馬の歴史も、競馬賭事の提供基盤も、英国競馬との実際的な関わりもありませんでした」。
「GBIレーシング社にとって、イスラエルはすぐに重要な市場となりました。この提携は英国とアイルランドの競馬場に相当な収入と資金をもたらし、イスラエルにおいてはスポーツ賭事を提供する正当な理由を政府に与えました。しかし、私たちは賭事運営を中止するという大臣の決定と方針を受け入れています。現在の状況を踏まえれば、適正な解決金だと考えます」。
「GBIレーシング社が今やるべきことは、既存市場と新しい市場での収入を増やすことによりこの穴を埋めることです。私たちはすでに、イタリア、アフリカなどでチャンスを得ており、大いに期待しています」。
英トート社は、イスラエルから年間5,000万ポンド(約77億5,000万円)以上の賭事を処理してきたと考えられている。
ベットフレッド社(Betfred)の最高コマーシャル責任者であるフィル・シアーズ(Phil Siers)氏は、イスラエルの決定にがっかりしていると述べつつ、「他の国際市場は堅調であり、全体的な影響はそれほど大きくはないと考えています」と付言した。
By Bill Barber
(1ポンド=約155円)
(関連記事)海外競馬ニュース 2013年No.44「イスラエルで英国とアイルランドの競馬賭事提供が開始される(イスラエル)」、2017年No.2「イスラエルの賭事禁止法案、現時点では英国の競馬賭事は対象外(イスラエル)」
[Racing Post 2018年1月3日「Israeli government agrees £5m settlement to GBI Racing over betting ban」]