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2018年12月21日  - No.12 - 6

香港国際競走で優勝するのはどの国の生産馬か?(香港)【生産】


 出走馬の生産国を見れば、香港競馬がいかに国際色豊かであるかが分かる。香港はサラブレッドを生産していないため、香港を拠点とする競走馬は世界中から調達されている。さらに12月の香港国際競走には、はるか遠くの国々からの参戦馬がある。ここで問題となるのは、どの国で生産された馬が優勝しているかということである。

 アイルランドと豪州はこれまで、香港国際競走でそれぞれ19頭(延べ頭数。1頭が2勝した場合2頭と数える)の優勝馬を送り出し、他国をリードしている。

 香港スプリント(G1 1200m)は "スピード馬生産国"である豪州にとって絶好のレースである。豪州はこれまでこのレースで13頭の優勝馬を送り出している。優勝馬の中には、1999年の第1回開催を制したフェアリーキングプローン(Fairy King Prawn)や、昨年と今年の連勝馬ミスタースタニング(Mr Stunning)がいる。ニュージーランド・アイルランド・日本はそれぞれ2頭の優勝馬を出しており、南アフリカは2010年に、スター馬ジェイジェイザジェットプレーン(J J The Jet Plane)でこのレースを制している。

 香港ヴァーズ(G1 2400m)で最も多くの賞金を獲得しているのはアイルランド生産馬である。実頭数で7頭のアイルランド生産馬が香港ヴァーズを制している。2017年には世界を股にかけて活躍したクールモアのハイランドリール(Highland Reel)がこのレースで2勝目を挙げ、その驚異的なキャリアを締め括った。その他のアイルランド産の優勝馬のうち、フェニックスリーチ(Phoenix Reach アンドリュー・ボールディング厩舎)、ヴァレーアンシャンテ(Vallee Enchantee エリー・ルルーシュ厩舎)、ダリアプール(Daliapour サー・マイケル・スタウト厩舎)の3頭も欧州からの遠征馬である。残りの3頭は香港調教馬であり、それは1998年優勝馬のインディジェナス(Indigenous)、2013年優勝馬のドミナント(Dominant ジョン・ムーア厩舎)と今年の優勝馬エグザルタント(Exultant アンソニー・クルーズ厩舎)である。

 ニュージーランドはこれまで香港国際競走で17頭の優勝馬を出しており、優勝馬生産国としては第3位となっている。香港カップ(G1 2000m)が創設されてから第6回目の開催までに、5頭の優勝馬、フライングダンサー(Flying Dancer)、コロニアルチーフ(Colonial Chief,)、グレイインヴェイダー(Grey Invader)、ケッセム(Kessem)、ロマネコンティ(Romanee Conti)を送り出している。またニュージーランドは香港マイル(G1 1600m)で9頭の優勝馬を出しているが、その中には今年1番人気で同レース連覇を達成したビューティージェネレーション(Beauty Generation)が含まれる。

 米国産馬はこれまで香港国際競走で14頭の優勝馬を送り出し、優勝馬生産国で第4位だが、近年は勝鞍に乏しい。米国産馬の直近の勝利は、カリフォルニアメモリー(California Memory)による2011年と2012年の香港カップ連覇である。また香港ヴァーズでは、1995年に同レースを制したパルティプラル(Partipral)から20年以上、米国産馬による勝利はない。

 しかし、香港ヴァーズは英国産馬に大きな恩恵をもたらしている。英国産馬は香港国際競走で通算13勝しているがそのうち7勝はこのレースで達成され、それらの優勝馬はすべて欧州で調教された。それは、2014年優勝馬フリントシャー(Flintshire アンドレ・ファーブル厩舎)、2012年優勝馬レッドカドー(Red Cadeaux エド・ダンロップ厩舎)、2005年優勝馬ウィジャボード(Ouija Board エド・ダンロップ厩舎)、2010年優勝馬マスタリー(Mastery サイード・ビン・スルール厩舎)、2006年優勝馬コリアーヒル(Collier Hill アラン・スウィンバンク厩舎)、1996年・1997年優勝馬ルソー(Luso クライヴ・ブリテン厩舎)である。

 フランス産馬は香港国際競走で通算11勝している。そのうち5勝は香港ヴァーズで達成された。日本産馬は通算9勝しており、ドイツ産馬とアルゼンチン産馬はそれぞれ、ボルジア(Borgia)の香港ヴァーズ優勝とモチベーション(Motivation)の香港カップ優勝により、貴重な1勝を達成している。

香港国際競走で勝ち目のある馬はどのような馬か?

 香港ジョッキークラブ(HKJC)のエグゼクティブマネージャーであるマーク・リチャーズ(Mark Richards)氏は、世界中を飛び回ってHKJCのために馬を購買している。同氏はその内情について話した。

 「香港ではほぼいつも硬い馬場でレースが施行されるので、丈夫であることが肝要です。ここでは大雨が降っても高速馬場なので、頑丈な馬を探さなければなりません。また、ハッピーバレー競馬場で器用な馬が活躍するのを目にすると、そのような馬を探さなければならないことが分かるでしょう」。

 「競走馬はスポーツ選手のようなものですので、終盤に全速力で追い込めるようなエンジンを持つ馬を探しています。それこそが私たちの求めている馬です。香港のレースの80%がマイル以下なので、スピード馬や丈夫な馬を探しています。何よりも、れっきとしたアスリートでなければなりません」。

訳注:この記事は2018年香港国際競走の前に執筆されたものであり、一部、優勝馬数などを修正して翻訳しています)。

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By Katherine Fidler

Racing Post 2018125日「Where do the winners of the International Races come from?」]




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