パリ会議:ヘッド元調教師とゴスデン調教師、薬物禁止をアピール(国際)【開催・運営】
欧州で最も成功を収めたクリケット・ヘッド元調教師とジョン・ゴスデン調教師は、すべての競馬統轄機関に競馬での薬物使用禁止を呼びかけた。
国内外でG1勝利を収めて2018年に調教師を引退したヘッド氏は、IFHA(国際競馬統括機関連盟)年次総会(通称:パリ会議)に集まった代表者たちに対してこう語った。「米国の現状はひどいものです。競馬における薬物使用を禁止すべきであり、調教師は薬剤師にならずに調教に徹するべきです。私たちはこれまで薬物が無くても勝てることを示してきましたが、薬物使用を無くすためにさらに懸命に取り組まなければなりません」。
ゴスデン調教師は10月6日(日)の凱旋門賞(G1)において、エネイブルが三連覇を達成しそこねたことでヘッド氏と同じ立場になった(訳注:ヘッド氏は2015年に名牝トレヴによる凱旋門賞三連覇を達成しそこねている)。同調教師は予め録音されていたインタビューで、クリーンな競走という問題についてこう語った。「競走条件を平等にすべきです。私は競走前薬物検査を徹底することを強く望んでいます。競馬の公正確保は何よりも最優先しなければなりません」。
ゴスデン調教師は、自らがキャリアをスタートさせた米国について具体的に触れて、こう語った。「競走の当日あるいは前日に静脈注射で薬物を投与することが良いこととは思えません。ルールで厳しく制限すべきです。馬にとって何が適切かを判断して、一丸となって懸命に取り組むことに掛かっています。それを主な目標として掲げれば、人々は賛同してくれるでしょう」。
ゴスデン調教師は若い人々を競馬に引き付けるという話題について、こう語った。「競馬はエンターテインメントで、その観点を失えば、人々は離れて行きます。英国では、多くの20代や30代の人々がイベントとして競馬を楽しんでいます。競馬場はその事実に目を覚ましました。私たちは競馬場および競馬統轄機関と手を取り合って取り組まなければなりません」。
ヘッド氏はこう付言した。「以前、競馬は趣味に過ぎませんでした。今や誰もが利益を得たがっています。トレヴがいた時に私が行っていたように、調教師が競馬ファンに対して厩舎を開放することは大切なことです。彼女は私を引き立ててくれ、私もまた彼女を引き立てました。このような優秀な馬は、誰とでも分かち合わなければなりません。ただし、格下のクレーミング競走出走馬を管理したとしても、同じように最大限の力を発揮させなければなりません。クレーミング競走を勝つことも、凱旋門賞で勝つことも変わりません」。
By Howard Wright
[Racing Post 2019年10月7日「Criquette Head and John Gosden in call for universal drug-free racing」]