2020年ダーレーの種付料(欧州)【生産】
2018年の最優秀2歳牡馬トゥーダーンホット(Too Darn Hot)は、ダーレーの優良種牡馬群(35頭)の1頭となり、新種牡馬としては最高の種付料5万ポンド(約700万円)で供用される。
同馬が拠点とするダーラムホールスタッド(Dalham Hall Stud)には、父ドバウィ(Dubawi)もおり、来年もダーレーの最高種付料25万ポンド(約3,500万円)で供用される。ドバウィは今年、トゥーダーンホットのほかに重賞馬24頭を送り出し、その中にはG1馬のコロネット(Coronet)、ガイヤース(Ghaiyyath)、オールドペルシアン(Old Persian)が含まれていた。トゥーダーンホットも現役最後の2戦となったジャンプラ賞(G1)とサセックスS(G1)を制し、G1馬となっている。
強い父子なら他にもいる。2018年英ダービー馬マサー(Masar)もその父ニューアプローチ(New Approach)の傍らで、種付料1万5,000ポンド(約210万円)で供用されるのだ。
また、ロイヤルアスコット開催の短距離G1を3勝したブルーポイント(Blue Point)は、父シャマルダル(Shamardal)のいるキルダンガンスタッド(Kildangan Stud)において4万5,000ユーロ(約540万円)で供用される。
シャマルダルは、仏1000ギニー(G1)優勝馬キャッスルレディ(Castle Lady)、G1 2勝で無敗の2歳馬アースライト(Earthlight ゴドルフィン)、ヴィクタールドラム(Victor Ludorum)、ピナトゥボ(Pinatubo)を送り出し、種牡馬として最高の年を過ごした。2020年もプライベート価格で供用される。
初年度産駒が今年デビューして早くも活躍しているナイトオブサンダー(Night Of Thunder)はキルダンガンスタッドに戻り、2019年に1万5,000ポンド(約210万円)だった種付料は2万5,000ユーロ(約300万円)に引き上げられる(訳注:同馬は2018年と2019年はダーラムホールスタッドで供用されていた)。
ゴールデンホーン(Golden Horn)の種付料は前年の5万ポンド(約700万円)から4万ポンド(約560万円)に引き下げられる。一方、ファー(Farhh)の種付料は前年の1万ポンド(約140万円)から1万2,000ポンド(約168万円)に引き上げられた。キングオブチェンジ(King Of Change)がクイーンエリザベス2世S(G1 英チャンピオンズデー)で優勝するなど、ファー産駒は今年素晴らしい活躍を見せた。
ダーレーの種牡馬担当主任であるサム・ブラード(Sam Bullard)氏はこう語った。「2020年に英国・アイルランド・フランスにおいて非常に優れた種牡馬を幅広く供用できることに満足しています」。
「この数十年で種馬場がどれほど発展したかについて考えると感慨深いものがあります。2000年3月にドバイミレニアムがドバイワールドカップ(ナドアルシバ競馬場)を制したときには、12頭強の種牡馬しかいませんでした。チームは皆、ここで供用してきた種牡馬の優良産駒を再びこの場所で供用することに、とりわけ満足しています」。
「競馬の中心となる馬を生産するために多くの時間とスキルを注ぎ込む生産者がいなければ、このような発展を成し遂げられなかったでしょう。私たちは生産者の願望を満たすためにあらゆる努力を行い、2020年もまた生産者の種付計画の一端を担えることを望んでいます」。
By Tom Peacock
(1ポンド=約140円、1ユーロ=約120円)
[Racing Post 2019年10月29日「Too Darn Hot to stand for £50,000 as Darley announce full 2020 roster」