サラブレッド生産者協会、馬インフルエンザ予防の行動計画を勧告(イギリス)【生産】
サラブレッド生産者協会(Thoroughbred Breeders' Association:TBA)は獣医委員会での協議の後、一連の勧告を発表した。これは、牧場・生産者が馬インフルエンザ(Equine Influenza:EI)の広がりを阻止するのを支援するためである。
TBAの獣医顧問であるジェームズ・クロウハースト(James Crowhurst)氏とシドニー・リケッツ(Sidney Ricketts)教授は、次のような声明を発表した。「EI発生は現在のところ、生産地で報告されていません。しかし英国と近隣国では、EI感染がワクチン接種馬およびワクチン未接種馬のいずれにおいても報告されています。英国中の全馬種にEI感染が広がるリスクがあるのは明らかです」。
「EIワクチン接種馬にEI感染が見られるものの、"症状軽減のために予防接種は依然として重要である"と獣医師は明確に助言しています。予防接種は臨床症状の重篤度を低下させ、回復時間を短くします。それにより、ウイルス排出・感染拡大のリスクは低減されます。また、生まれたばかりの仔馬はEI感染のリスクに最も晒されています」。
TBAは生産者・牧場従事者に対し、以下の4つの行動計画を勧告した。
・ 生産者は、感染リスクと取るべき予防措置(到着馬の隔離など)について獣医師に相談する。
・ EI感染馬やEI感染馬と接触していた馬(EI潜伏の可能性のある馬)でなくても、全ての馬に英国認可のEIワクチンを完全に接種しなければならず、過去6ヵ月間に追加ワクチンを接種していない馬は直ちに追加予防接種を受けなければならない。出産の4~6週間前の妊娠中牝馬に予防接種を行うことは常に、最大の効果をもたらす。
・ 生産者は、EI感染馬やEI感染徴候を示し経過観察中の馬のいる厩舎から来る馬の入場を許可してはならない。
・ 種牡馬を供用している牧場には、完全なEI予防接種履歴が確認できる証明書と種付前の6ヵ月間にEI追加予防接種を受けた確認書を受け取ってからでないと、繁殖牝馬を受け入れないように勧告する。
馬インフルエンザの発生は、ドナルド・マケイン(Donald McCain)厩舎とサフォーク州の調教場で確認された。これにより、英国の競馬開催は少なくとも2月12日までは中止される。また、伝統的な種付シーズン開始日である2月15日を数日後に控えている。
By James Thomas
[Racing Post 2019年2月7日「TBA issues breeders with advice for equine influenza control」]