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2020年08月24日  - No.8 - 2

ケンタッキーダービー、観客数の上限を2万3000人に(アメリカ)【開催・運営】


 チャーチルダウンズ競馬場は、詳細にわたる安全衛生管理計画書(全62頁)を発表した。この計画書では、9月5日のケンタッキーダービー(G1)開催日の観客数の上限は2万3,000人とされている。

 この観客数の上限は、2015年に記録した史上最多入場者数17万513人の14%以下となる。新型コロナウイルスの感染リスクを軽減すべく、ソーシャルディスタンスなどの感染防止策を講じるためである。

 今年のケンタッキーダービーでは、自由席券を発売しない。チャーチルダウンズ競馬場は6月下旬、26エーカー(10.5 ha)の馬場内エリアにかぎり自由席券で観戦できると発表していた。しかし現状を踏まえれば、購入済の自由席券については払戻しを行い、馬場内エリアは閉鎖されるだろう。

 指定席区域の収容率の上限は40%とされる。"立見区域のみの入場券"あるいは"場内歩き券(walk around ticket)"も発売されない。ソーシャルディスタンスを十分確保するために、野外席の予約者には、予めあるいは当日に座席の再配置を案内する。

 チャーチルダウンズ競馬場[面積190エーカー(76.9 ha)]へ入場するには、検温・問診票記入・ソーシャルディスタンスの確保・マスク着用が要求される。入場者全員には"健康バッグ"が無料配布される。その中には、使い捨てマスク・ポケットサイズの除菌ハンドジェル・接触なしで馬券発売機を操作するためのタッチペンが入っている。同競馬場へ入場するための条件は、感染防止策を順守することであり、それらは厳しく適用される。違反者は警告を受け、違反を繰り返す者は競馬場から連れ出される。

 チャーチルダウンズ競馬場は公衆衛生の専門家やその他の関係者たちと緊密に連携し、安全衛生管理計画書(全62頁)を4ヵ月かけて作成した。この計画書の全体に、ルイビル市公衆衛生局(Louisville Metro Health Department)からの助言や勧告、ケンタッキー州ヘルシーアットワーク(Kentucky's Healthy at Work 安全を確保した上での経済再開に向けたプログラム)の助言が盛り込まれている。これにより、同競馬場は観客数を制限してケンタッキーダービーウィーク(9月1日~5日)を安全にかつ責任を持って実施できるだろう。ケンタッキー州知事のアンディ・ベシア氏は6月下旬に最初の計画書を承認している。現行の計画書は州・地域が推奨する指針よりも水準が高いが、今後も見直され続ける。

安全衛生管理計画書に記された重要ポイント:

・ 観客数を制限する。"立見席券"や"場内歩き券"を発売しない。指定席区域の収容率は上限40%とする。

・ ダービーウィーク開催中に自由席券を発売しない。入場できるのは指定席予約者のみ。ケンタッキーオークス開催日(9/4)とケンタッキーダービー開催日(9/5)は馬場内エリアを閉鎖する。

・ 場内すべてのエリア(屋内・屋外の両方)で、マスク着用を義務づける。ただし飲食の最中は免除する。

・ チャーチルダウンズ競馬場の入場者は全員、問診票記入が求められ、検温を受ける。それにより健康状態が確認され、体温が華氏100度(37.8℃)を超える者は、入場が禁じられる。

・ 入場時に除菌ハンドジェルが配布される。場内500ヵ所以上に手の消毒所を設置。

・ 感染防止対策を促進する標識を場内いたるところに掲げる。スタッフと警備員は状況を監視し、顧客をサポートするために場内を巡回する。

・ 場内のあらゆるエリアへの進入を厳しく制限する。座席区域に指定されていない区域への入口は閉鎖する。

・ ソーシャルディスタンスを十分確保するために、座席の再配置を行い、指定席区域の収容率を40%までとする。

・ 馬券発売窓口係には個人用防護具(PPE)を支給し、適切な間隔を空けるように指導する。顧客にはウェブサイト(TwinSpires.com)を通じたオンラインでの馬券購入を勧める。

・ 売店では、主に包装された食品を販売する。あらかじめ用意されたメニューからの料理やお弁当は他の場所で提供する。

・ 観客数が制限されることから、競馬場からやや離れた場所にある指定駐車場からのシャトルバスは運行しない。来場者には近隣の駐車場を使うことを勧める。指定駐車場利用券のついた入場券・予約席券の保有者には払戻しが行われる。

・ 混雑を避けるため、ダービーウィークの次のイベントは中止される。サイン会、 プラザでのコンサート、ファッションショー、テイストオブダービー(Taste of Derby)、サバイバーズパレード(Survivors Parade)、レッドカーペット(Red Carpet)など。

・ 調教を見ながら朝食を楽しむ、毎年恒例の"ドーン・アット・ザ・ダウンズ(Dawn at the Downs)"は8月31日に日程変更した。今年は席を予約した者だけが参加でき、自由入場券は発売されない。

・ 厩舎地区に入場を許されるのは不可欠なスタッフのみである。一般人の調教見学を目的とした入場やレース開催中の入場を禁じる。

・ 厩舎地区で働く人々やレース参加者(騎手・調教師・厩務員など)の追加的な感染防止策は近日中に最終決定される。

訳注:8月21日、チャーチルダウンズ競馬場はケンタッキーダービーとダービーウィークを無観客で実施することを発表した。

By Blood-Horse Staff


 (関連記事)海外競馬ニュース 2020年No.11「第146回ケンタッキーダービーは9月5日に延期(アメリカ)」、No.18「ケンタッキーダービーが無い場合の経済的打撃は4億ドル(アメリカ)

[bloodhorse.com 2020年8月12日「Kentucky Derby Capacity Limited to Less Than 23,000」]

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