英国競馬界の多様性と包括性を向上させるコミットメント(イギリス)【開催・運営】
英国競馬界の主要なステークホルダー(利害関係者)が、競馬界全体の多様性と包括性を向上させることを目的とした"統一された競馬産業のコミットメント(unified industry commitment)"の下に集結した。
この競馬産業のコミットメントは、"多様性と包括性に対する競馬界のアプローチをはっきりとした形にすること"を目的としており、将来的には英国競馬界の他の組織にも参加を呼びかけていく。
最初のコミットメントの下には、BHA(英国競馬統括機構)、競馬場協会(RCA)、馬主協会(ROA)、サラブレッド生産者協会(TBA)、全国調教師連合会(NTF)、騎手協会(PJA)、英国厩務員協会(National Association of Racing Staff)、グレートブリティッシュレーシング(GBR)が集まった。これは、2017年に設立された"競馬における多様性促進グループ(Diversity in Racing Steering Group)"を受け継ぐもので、英国競馬界の新型コロナウイルスからの復興計画の一部である。
このコミットメントは5つの主要分野を中心に展開される。それは、(1)リーダーシップと説明責任、(2)グッドガバナンス、(3)教育と意識向上、(4)競馬界の多様性の称賛、(5)新たな観衆との繋がりの強化である。
BHAのアナマリー・フェルプス会長は、「これは競馬界にとって重要な一歩です。多様性の向上に積極的に取り組むことは競馬を長期的に存続させるために不可欠ですが、何よりもまず、これは絶対に正しい取組みなのです」と語った。
この計画には、UKスポーツ(UK Sport 英国のオリンピック&パラリンピックスポーツへの投資を担当する政府機関)の提言に沿った"役員の多様化"が含まれ、2022年末までに役員会への男女のいずれも30%以上の参加を目標とする。また、"民族的・文化的コミュニティーや障害のある人々を含めたさまざまなアイデンティティーに関する役員の多様性を高めるための集合的な目標"も明らかにされている。
競馬界の多様性と包括性を高めるために独自の努力をしているスカイスポーツレーシングのキャスター、ジョシュ・アピアフィ氏はこう語った。
「本日発表されたステークホルダーのコミットメントは最も歓迎すべきものです。英国競馬界は他の主要スポーツに比べて、特にリーダーたちの民族の多様性の面で、かなりの遅れをとっています」。
「英国競馬界がより社会を反映した業界となり始めるためには、目標・教育・行動が必要です。それにより、競馬産業は次世代のファン・馬主、そして将来の競馬従事者にとって魅力的なものとなります」。
「競馬界にジェンダーダイバーシティの数値目標を掲げたことは素晴らしいことで、ステークホルダーにとって達成すべき具体的な目標が示されました。民族性と包括性についても、競馬産業全体で同様の目標が設定されることを期待しています」。
By Lewis Porteous
[Racing Post 2021年5月11日「Stakeholders combine in bid to improve diversity and inclusion across the sport」]