2024年パリ五輪の馬術競技でサラブレッド血統を認容(国際)【開催・運営】
2024年のパリ五輪では、馬術競技(馬場馬術・障害飛越・総合馬術)に出場するサラブレッドの血統が出場リストと競技成績において初めて認められることになる。過去の五輪では、引退サラブレッド競走馬はリストに"血統不明"とだけ記載されていた。
欧州・地中海地域競馬連盟(EMHF)、世界スポーツホース生産連盟(WBFSH)、国際馬術連盟(FEI)、国際血統書委員会(ISBC)のあいだの協議を経て今回の合意がなされ、FEIのすべての競技にも適用される。FEIとWBFSHのあいだの覚書のもとでは、WBFSHのメンバー血統書のみに従来信用が与えられており、特に五輪種目の馬術競技用に馬を生産する血統書しかWBFSHのメンバーになっていなかったことから、この問題が生じた。
EMHFの事務局長であるポール・カーン博士はこの合意を歓迎した。競走馬のアフターケアのための国際フォーラム(IFAR)の運営グループの一員でもあるカーン博士はこう語った。「馬主が引退競走馬のセカンドキャリアを検討するのを奨励するために、世界中で多くの取組みがなされています。今回の合意は、サラブレッドが馬術競技でもその血統識別で競技を続けていけるというメッセージを前面に出すとともに、より多くの馬主が競走馬の引退に際してこの選択肢を検討するきっかけになるでしょう」。
WBFSHのジェネラルマネージャーであるナディーン・ブラントナー(Nadine Brandtner)氏は、「WBFSHはスポーツホースの生産と発展においてサラブレッドが大きな影響をもたらしていることを認識しており、サラブレッドが評価に値することは間違いありません。さらに引退競走馬のセカンドキャリアを奨励する取組みは、社会に受け容れられる活動を維持するために不可欠なものです。この課題に挑むために馬部門全体が一丸となるべきであると考えており、WBFSHがこれを支援することは自然なことです」と述べた。
FEIのガバナンス・制度担当理事であるフランシスコ・リマ氏は、FEIがこの展開を全面的に支援していることを認めた。
ISBCの副議長であるサイモン・クーパー氏はこう語った。「サラブレッドが馬術競技への参加とそこでの成功が評価されるようになることを、ISBCは嬉しく思っています。また、EMHF・WBFSH・FEIが競走を引退した馬の評価を支持するためにISBCに協力してくださったことに感謝しています。サラブレッドは一貫して運動能力・身のこなし・適応力を見せ、馬術競技でセカンドキャリアを成功させられることを頻繁に示してきました。世界中にあるISBCが承認した68のサラブレッド血統書は、これらのサラブレッドの競走引退後のチャンスを促進し、その血統がしっかり評価されるようにIFAR・WBFSH・FEIをサポートしていきます」。
[bloodhorse.com 2023年5月9日「Thoroughbreds Will Be Recognized in Upcoming Olympics」]