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2024年11月20日  - No.11 - 2

韓国で引退サラブレッドチャンピオンシップが発足(韓国)【開催・運営】


 今年、韓国引退サラブレッドチャンピオンシップ(KRTC)が発足した。KRA(韓国馬事会)と馬主協会が設立したサラブレッド福祉基金(Thoroughbred Welfare Fund)がこれを支援する。

 KRTCは豪州ニューサウスウェールズ州のエクイミリオン(Equimillion)のイベントや、米国の引退競走馬プロジェクト(Retired Racehorse Project)のような世界各地のアフターケアのベストプラクティスを指標として活用している。KRAはさまざまなアフターケアのイベントを「アフターケア・ツールキット」(訳注:2019年にIFARが世界各地のアフターケアのアプローチを検討して策定したもの。アフターケアの枠組みの強固な基盤を築く6つの取組みを選定)に基づき検討し、それらに手を加えてKRTCを発足させた。第1回KRTCは6月1日・2日に亀尾市乗馬センター(Gumi-si Horseback Riding Center)で開催された。この馬術大会の賞金総額はおよそ8,000万ウォン(約800万円)だった。

 第2回KRTCは10月4日・5日に、KRAの第86回・第88回オリンピック馬術競技場(京畿道果川市)で開催された。この馬術大会の賞金総額はおよそ1億ウォン(約1,000万円)にのぼった。

 KRTCは全7種目の馬術競技で構成される。入門レベルのホースショー2つ(騎乗ありと騎乗なし)、馬場馬術競技2つ、障害飛越競技3つである。また、「ウェルビーイング・ホース・コリア」と呼ばれる審査競技も導入された。この競技では、来場者や一般の人々がQRコードを使って馬を紹介するサイトにアクセスし、管理状態や健康状態が最も優れた馬を選んでオンライン投票することができる。

 第2回KRTCには55頭と騎乗者28人が出場した。合計30頭が7種目の馬術競技で入賞し、5頭が「ウェルビーイング・ホース・コリア」で入賞した。サイドイベントとして、ホースパレードや馬の人形作り、馬のモビールへの色付け、クイズ大会が行われ、一般参加者や子どもたちは大いに楽しんだ。

 参加者は全員、KRAの馬の福祉に関するオンライン講座を受講ずみである。この中にはIFAR(競走馬アフターケア国際フォーラム)の会長であるエリオット・フォーブス博士によるIFARと「アフターケア・ツールキット」に関する講座も含まれる。参加者の同意を得て、KRTCは鞭を使用せずに実施された。

 馬術競技導入は初期の段階なので、引退競走馬が卓越した競技を見せることではなく、乗馬としてのセカンドキャリアを歩む機会を増やすことに重点が置かれていた。目標は、馬術業界へのさらなる参加を奨励し、引退競走馬の乗馬への転向を促進し、引退競走馬についての意識を高めることにある。

(1ウォン=約0.1円)

[IFAR's Global Aftercare newsletter 2024年10月
「The Korea Retired Thoroughbred Championship (KRTC) Has Been Launched」]


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