TOPページ > 海外競馬情報 > ジョッキークラブ、子会社をTJCイノベーションズに統一(アメリカ)【開催・運営】
海外競馬情報
2024年08月21日  - No.8 - 2

ジョッキークラブ、子会社をTJCイノベーションズに統一(アメリカ)【開催・運営】


 米国ジョッキークラブ(The Jockey Club: TJC)は7月31日、以下の完全所有の商業子会社をひとつの商業ブランド「TJCイノベーションズ(TJC Innovations)」として再編成することを発表した。

・ジョッキークラブ・インフォメーションシステム
・ジョッキークラブ・テクノロジーサービス
・インコンパスソリューションズ

 TJCの理事長兼COOであるジェームズ・L・ギャグリアーノ氏はこう語った。「生産、競走、販売、引退までTJCの事業全体にわたる包括的なデータセットとソリューションを求めるお客様の声は高まっています。その要求にいっそう効率的に対応するため、TJCイノベーションズは電話一本でサービスを提供することができます」。

 「さらに、人工知能(AI)や機械学習などのビッグデータを活用するアプリを支えるためにより多様で堅牢なデータセットを求める市場が拡大しています。TJCイノベーションズはお客様と協力してその独自の要求に確実に応えられるよう、生データと専門知識を備えています」。

 TJCイノベーションズはブランド変更の一環として、3つの取組みも発表した。

ティーロア(Tlore)

 TJCイノベーションズはティーロア・マネージメント(以下ティーロア)の事業を買収する契約を締結した。ティーロアは北米の調教師に厩舎管理サービスと商品を提供する大手業者である。筆頭オーナーのトレイシー・アットフィールド氏は「TJCのチームの一員となれて嬉しく思います。業界トップのTJCの技術グループとともに、ティーロアのプラットフォーム構築と市場シェアの拡大を継続することを楽しみにしています」と語った。

 ギャグリアーノ氏は「トレイシーを迎え入れ、業界トップの機能豊富なプラットフォームを構築するという彼女のビジョンを具体化することを楽しみにしています。このプラットフォームにより、調教師は厩舎を管理し、顧客とコンテンツを共有し、モバイル機器のスピードと利便性を活用して競馬主催者と直接やりとりが行えます」と語った。

 アットフィールド氏はTJCイノベーションズの専門的なソフトウエア開発チームと緊密に連携し、ティーロアの顧客がより効率的に業務が遂行できるよう支援する新しいツールの開発を継続しながら、顧客サポートやエンゲージメントを提供していく。

ヘイロー(Halo)

 TJCイノベーションズはヘイロー(世界初の馬AI技術プラットフォーム Halo.com.ai)のAIイニシアティブのために北米のサラブレッドデータを供給すると発表した。

 ギャグリアーノ氏は、「ヘイローや数々の新興企業は予測ツールの開発や、データの威力を解き放つために、AI技術を活用することを目指しています。TJCがそれに協力できることを嬉しく思います」と語った。

 ヘイローの創設者でありCEOのニール・サンズ氏は、「サラブレッド業界にAIとビッグデータ技術の威力をもたらしたいと思います。人々が意思決定や予測のためにデータを実用的な情報に変えるのに役立つでしょう。TJCは有名な技術グループに支えられた北米サラブレッドデータの公式ソースで、弊社にとって優先的な選択肢でした。弊社のデータの必要性を高めるためにTJCと協力できることを楽しみにしています」と述べた。

データベース近代化のイニシアティブ

 TJCイノベーションズは最近、今後の成長のためのイニシアティブとして包括的なプロジェクトを立ち上げた。これはTJCのデータベースを近代化して拡張するものだ。このため、アマゾンウェブサービスのパートナーであるミッションクラウドサービス(Mission Cloud Services)を利用する。

 クラウド環境による管理の効率化と市場投入のスピードアップが期待されている。顧客はAIと機械学習に依存する次世代アプリに必要な大規模で複雑なデータセットを求めているのだ。

 ギャグリアーノ氏はこう語った。「TJCはクラウド・コンピューティングを用いて最近の商品やサービスのいくつかを構築してきました。今回の大手アマゾンパートナーとの連携により、データベースを徹底的に近代化できます。データベースは、TJCのデータ中心の子会社すべてのバックボーンとして機能してきました」。

 「技術チームやサポートチームを導く包括的なツールと訓練プログラムを通じて、北米の公式レース・血統・生産のデータベースはまもなく強力で安全なクラウド基盤に置かれることになるでしょう。無制限のクラウド・コンピューティングと革新的なテクノロジーは、今後の需要拡大に対応できます」。

By The Jockey Club

[bloodhorse.com 2024年7月31日「The Jockey Club Rebrands Commercial Subsidiaries」]


上に戻る