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海外競馬情報
2026年06月11日  - No.20 - 2

猛暑の中でも競馬開催を続けるための取り組み(イギリス)【開催・運営】


 イギリスでは、5月としては過去最高となる34℃まで気温が上昇した。これは、3月にも観測史上最も暖かい日を経験してから、わずか2ヶ月後のことである。

 この熱波により、イングランドの一部地域では5月27日(水)まで警戒(アンバー)レベルの熱中症警報が発令されており、競馬場や厩舎は異常気象への対応を余儀なくされている。

 では、競馬界はこの状況下でどのように開催を継続しているのだろうか。

 開催時刻が鍵

 1日のうち最も気温が上がるのは午後であるため、馬が安全にレースを行えるようにするためには、開催時刻が極めて重要となる。

 一部の競馬場では、レース時間を繰り上げることでこの問題に先手を打って対処することができている。例えば、5月25日(月)のハンティンドン競馬場でレースは当初の予定より1時間半早く開始され、日中の気温が34℃に達する前にレースを開始することができた。

 フランスでも同様の調整が行われており、オートゥイユ競馬場での5月26日(火)のレースは、従来の開始時間であった午後12時55分ではなく、午前10時前に開始されることになった。

 スケジュールを大幅に変更できない競馬場にとっても、開催時刻は依然として重要な要素であり、各競馬場は、競走馬が午後の直射日光の下で過ごす時間を短縮するための方法を模索している。

 火曜日のバース競馬場の開催準備を統括している馬場取締委員のベン・ヒックス氏は次のように述べた。「馬たちが暑さの中で長時間歩き回るのを避けたいので、タイムスケジュールを少し調節しました。パドックでの滞在時間を数分間に抑え、すぐに本馬場へ送り出せるように調整しました」

 「バース競馬場のレイアウトには助かっており、洗い場をコースのすぐ近くに設けられます肝要なのは、馬が直射日光の下にいる時間を最小限に抑えることです。我々は万全の対策を講じて臨んでいます。当競馬場は夏場の開催が主で、これほどの気温にも以前直面した経験があり、準備は万端です。重要なのは万全の準備を整え、必要なものを全て手元にそろえておくことで、それは騎手やスタッフ用のアイスキャンディーに至るまでです。」

 涼しい環境を保つ

 競馬場関係者の最優先事項は、水の十分な供給を確実にすることである。

 「何よりも、皆ができるだけ涼しく、水分を補給できるようにすることが重要です」とプランプトン競馬場の馬場取締委員であるマーカス・ウォーターズ氏は語った。「そのために、明日火曜日のレース開催に向けて、馬の体を洗う作業を手伝う追加スタッフを手配しています。幸いなことに、レースが行われている時間帯は馬を洗う場所が日陰になっているため、そのことが大きな助けになっています」

 「至るところに大量の水を確保することが最大の焦点です。もちろん、馬の体を洗って水分補給をさせることも含まれますが、スタッフへの配慮も欠かせません。厩舎エリアを可能な限り涼しく保ち、コース内の各所で追加の水を配布する予定です」。

 出走馬の体を冷やすために使用される道具には、レース前後に冷たい水と空気を継続的に送り出すミストファンがある。また、熱中症などの問題に備え、経験豊富な獣医チームが待機している。

 ウォーターズ氏は次のように付け加えた。「レース直後は全ての馬を洗い場にとどめ、獣医師の許可が下りるまでは優勝馬をパドックに入れるのを控える予定です。これは全ての馬の健康状態を確認するためです。一日を通してそれらすべての状況を注視していきます」。

 厩舎での対策

 暑さに対応しなければならないのは競馬場だけではない。厩舎側も、急激に上昇する気温の猛威から馬やスタッフを守るため、管理体制を見直す必要がある。

 「馬のスケジュールをあまり変えずに、天候に対応していくことが肝心です」とニューマーケットのジェームズ・テイト調教師は語った。「馬のリズムを崩してはいけません。彼らは本当にルーチン(習慣)を大事にする生き物ですから。暑さがピークを迎える前にできるだけ早い時間帯に馬を外に出し、一日を通して水分補給を徹底するとともに、十分な電解質と塩分も与えています」

 「問題なのは実際の暑さそのものより、暑さへの順応です。これまで比較的穏やかだった気候が突然このような猛暑になったからです。それでも馬たちは驚くほどうまく対応しているようです。むしろスタッフのほうがずっと暑さを感じているでしょう」。

 厩舎側が考慮しなければならない点の一つとして、朝の調教時間の調整がある。ハリー・ユースタス氏のような調教師は自厩舎の管理馬を通常より30分早く調教に出すなどしている。また猛暑がレースプランに与える影響も考慮しなければならない。

 ユースタス氏は次のように述べた。「レースの発走時間に関わらず、朝のうちに馬を競馬場へ送り出すことについては当然考えます。この天候の中で、馬が渋滞に巻き込まれて車内に閉じ込められるような事態だけは避けたいものです」

 「復帰戦となる馬が数頭いましたが、この暑さの中では負担が大きすぎるため、出走を見送ることにしました。私たちはあくまで安全を第一に考え、できる限り馬のケアに努めています」。

By Catherine Macrae

[Racing Post 2026年5月25日
「How racing keeps the show on the road during a heatwave - including early start times and ice lollies for jockeys」]


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