前走のキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1、アスコット、7月27日)を圧勝したゴリアット(セン4歳)は、コンセイユドパリ賞(G2、パリロンシャン、10月20日)で衰えを見せないヘイミッシュ(セン8歳)らをしっかりとおさえ、85日間の休養中に溜まったモヤモヤを吹き飛ばした。
ゴリアットの新しい共同オーナーでアメリカを拠点とするジョン・スチュワート氏は、ジャパンカップ(G1、東京、11月24日)に向けての油断できない1戦と思われたこのレースでの走りを自身の目で確認するためロンシャンへ飛んだ。そしてゴリアットが重馬場のスローペースを克服し、半馬身差で勝利するのを目にした。
フランシス・グラファール調教師は次のように述べた。 「ゴリアットには不利な条件がたくさんありました。重い斤量を背負っていましたし、休み明けの大型馬なので決して有利な条件ではありませんでした」
「この馬場は彼の得意とするものではなく、出走頭数も少なかったのではまってもおかしくない罠はたくさんありました。しかし、スミヨン騎手はこの馬のことをよく理解し始めていて、ゴリアットに絶大な信頼を寄せています。フォルスストレートで行きたがった時、スミヨン騎手は無理におさえることはせずに走らせることを選択しました」
「直線半ばでゴリアットは一息つきましたが、クリストフは焦ることなく馬のリズムを尊重し、そこからまた前進していきました。レースに勝てたことは嬉しいですが、今日は日本へ遠征する前に走らせることが最大の目標でしたのでその課題を片付けることができたことが一番大切な事です」。
スチュワート氏はアスコットでの勝利の後、オーナーブリーダーであるフィリップ・フォン・ウルマン氏からゴリアットの75%の所有権を買い取った。この勝利により、アドラーフルーク産駒のゴリアットは、同厩舎のカランダガンと並ぶレーティング125を獲得した。これはロンジンワールドベストレースホースランキングにおいて、レーティング127のシティオブトロイに次いで芝馬としては2番目に高い評価である。
フォン・ウルマン氏は、前哨戦として予定していたオイロパ賞(G1、ケルン、9月22日)を脚の膿瘍のため回避したゴリアットについて、ここからは更に調子が上がってくることを強調した。
「今日は70〜80%の状態であることは認識しており、調子を整えるために走らせようと思ったレースだったので、このような走りを見せたことに感動しています。他馬より2キロ多く背負わされましたが、決して楽でない馬を相手に今日は勝つことができたのです。5、6週間後にはジャパンカップに向けて100%の状態になると思います」。
スミヨン騎手はキングジョージ6世&クイーンエリザベスSで初めてゴリアットとコンビを組んだが、すでに素晴らしい信頼関係を築いている。また、彼の日本での騎乗経験は、日本で最高賞金を誇るジャパンカップ挑戦には有利に働くだろう。
フォン・ウルマン氏は次のように述べている。「ジャパンカップはゴリアットの求める速いペースとなるでしょう。馬場は少し固すぎるかもしれませんが、今回の馬場よりは間違いなく気に入るでしょう。
「日本の競走馬はとても優秀ですが、私は今年のジャパンカップには近年ほど強い馬がいないと思っています。だから、もしヨーロッパ側が挑戦するならば、今年は最大のチャンスとなるでしょう」。
By Scott Burton/Racing Post
[bloodhorse.com 2024年10月20日「Resolute's Goliath Returns a Winner in Paris」]