クラシック勝馬で多くの賞金を獲得し、2000年にはエクリプス賞最優秀古馬のタイトルを獲得したレモンドロップキッドがレーンズエンドファームで死亡した。28歳だった。
レモンドロップキッド(父キングマンボ)はレーンズエンドファームのW.S. ファリッシュ氏とW.S.キルロイ氏によって生産された。母チャーミングラッシー(父シアトルスルー)はG3勝ち馬で1992年に最優秀繁殖牝馬のタイトルを獲得したウィークエンドサプライズの半妹にあたる。北米のリーディングサイアーおよびリーディングブルードメアサイアーに複数回輝いたエーピーインディ(父シアトルスルー、母ウィークエンドサプライズ)とは近親関係にある。
レモンドロップキッドは、1997年のキーンランド9月1日セールに[D1] おいてジャンヌ・ヴェンス氏に20万ドル(約3,100万円)で購買され、スコッティ・シュルホーファー調教師によって管理された。1998年の2歳時には6戦中5戦で3着内に入り、その才能の片鱗をうかがわせた。フューチュリティS(G1)を制すと、シャンペンS(G1)では2着に入った。3歳シーズンにはベルモントS(G1)を制してクラシックタイトルを獲得すると、サラトガ競馬場で行われたトラヴァースS(G1)でも勝利した。4歳時にはブルックリンH(G2)、サバーバンH(G2)、ホイットニーH(G1)、ウッドワードS(G1)で合計12馬身差をつけて4連勝を飾り、エクリプス賞最優秀古馬に輝いた。この年を最後に引退し、通算成績は24戦10勝、獲得賞金は324万5,370ドル(約5億300万円)であった。
チャンピオンとしてのシーズンを終えた後、レモンドロップキッドはレーンズエンドに戻り、種牡馬としてのキャリアをスタートさせた。2001年から20年まで同牧場の有力な種牡馬として活躍した後、2021年に25歳で種牡馬としてのキャリアを終えた。レモンドロップキッドは109頭のブラックタイプ勝馬を輩出し、その中には52頭の重賞勝馬と2頭のチャンピオンホースが含まれている。G1勝ち馬には、レモンポップ(2023年JRA最優秀ダート馬)、レモンズフォーエヴァー(2006年ケンタッキーオークス(G1)の勝馬)、ビーチパトロール、カノックチェイス、シトロネード、ロマンティックヴィジョン、リチャーズキッド、ソマリレモネードなどがいる。産駒はこれまでに1億1,580万ドル(約179億4,900万円)以上を稼ぎ、1頭平均の獲得賞金は8万6,077ドル(約1,334万円)である。
レモンドロップキッドは母の父としても成功し、2023年には北米のブルードメアサイアーのトップ25にランクインした。産駒のレモンズフォーエヴァーは母として2頭のG1馬を輩出した。一頭は、2017年のBCディスタフ(G1)を制し同年の最優秀古馬ダート牝馬に選ばれたフォーエヴァーアンブライドルドで、もう一頭は2015年のバレリーナS(G1)を制したアンブライドルドフォーエヴァーである。現在までに、レモンドロップキッドは母の父として109頭のブラックタイプ勝馬を輩出しており、その中には36頭の重賞勝馬と9頭のチャンピオンホースが含まれている。
レーンズエンドファーム代表のビル・ファリッシュ氏は次のようにコメントした。
「1996年5月にレモンドロップキッドが生まれたとき、今いる牧場スタッフの多くはここにいました。彼が産まれてからチャンピオンホースに成長し、その後100頭以上のステークス勝馬を輩出するトップサイアーとなるのを見届けました。彼のような特別な馬の生涯に関わることが出来た私たちは大変に恵まれています。彼がいなくなり寂しくなりますが、我々は彼の遺産を永久に称え続けていくでしょう」。
レモンドロップキッドは、同牧場内の種牡馬が眠る墓地に埋葬される。
By Eric Mitchell
(1米ドル=約155円)
[bloodhorse.com 2024年12月13日「Lemon Drop Kid, 1999 Belmont Winner, Dies at 28]
[D1]カタカナ表記と9月1歳のような表記が過去に両方ある。ルールは?