令和5年産駒からの血統登録申込みにあたり、従来からのDNA型による親子判定検査に加えて、遺伝子改変検査を実施いたします。
この検査の導入の背景としては、近年の遺伝子操作関連技術の急速な進歩があります。このため、これらの技術が競走馬に不正に利用されることも現実味を帯びてきている状況です。
遺伝子操作により、人工的に改変された遺伝情報が次世代へ伝わる恐れがあり、公正競馬に大いなる影響を及ぼすだけでなく、種の健全性を損ない、サラブレッド競馬の根幹を揺るがす重大な問題になる可能性があります。
1.現状
国際競馬統括機関連盟(IFHA)の「競馬と生産及び賭事に関する国際協約」第12条(サラブレッドの定義)では、遺伝子改変されたものはサラブレッドとしての資格がないと定義されており、これを受けて本財団の登録規程では「遺伝子操作によらない産駒」であることが登録要件となっております。
また、国際サラブレッド生産者連盟(ITBF)の会議においても、人工的繁殖技術(人工授精、胚移植、クローン、精子の性別鑑定、遺伝子操作、その他現在定義されていない技術を含む)の使用に対して、断固反対することを採決で確認されています。
現在、本財団では、血統登録申込書にチェックボックスを設けて申込者に対してこの要件を満たしているかの確認を行っておりますが、今まではこれを科学的に確認するための方法は確立されておりませんでした。
2.遺伝子改変検査の実施計画
このような状況の中、公益財団法人競走馬理化学研究所にて遺伝子改変を検出する方法が確立されたことから、令和5年産駒から検査を実施するものです。
※「本財団登録規程」~抜粋
(登録の要件)
第15条
人工授精及び受精卵移植並びにクローン技術その他の遺伝子操作によらない産駒
(登録の取り消し等)
第28条
第15条に規定する登録に係る要件を欠くことが判明したとき
妊娠中又はその後の生存中において遺伝可能な遺伝子の操作が行われたことが判明したとき