ブックメーカーは、テレビ・ラジオ広告の全面的禁止を免れたが、8月7日に発表された修正規範に基づいて午後9時以前の広告規制(9 pm watershed)に従って広告しなければならなくなった。
一方で、政府は、賭事法(Gambling Act)が9月1日に発効した場合、ブックメーカーがスポーツイベントの際に賭事広告を行うのを認める点で譲歩した。
ゴードン・ブラウン(Gordon Brown)首相は、ジェームズ・パーネル(James Purnell)氏をテッサ・ジョウェル(Tessa Jowell)氏の後任に文化・メディア・スポーツ省(Department for Culture, Media and Sport)の担当国務大臣に任命した。その内閣大改造の結果、賭事法の発効前でもテレビでの賭事広告が行われなくなる可能性が高いという見方が先月浮上 した。
ギャンブル急増の可能性を再考すべきだとするブラウン首相の方針が明らかになったことに伴い、パーネル氏は新たな政策体系における今後の課題について緊 急に再検討し、その結果、スーパーカジノ計画(super casino project)は廃止、テレビ広告に関する提案は見直しということになった。
越境賭事協会(Remote Gambling Association: RGA)は、3月に社会的責任に関する業界規範を初めて発表した。RGAによって主導されたグループは迅速な作業により、ギャンブル商品に関するテレビ広 告が夜9時前に放映されることを禁止する文言を導入して受け入れたことにより、テレビ広告の全面的禁止の恐れを食い止めた。
唯一の例外は、現在広告することを許可されているビンゴと国営宝くじのほか、テレビ中継されるスポーツイベントの際における賭けの広告であり、この広告は初めてテレビで放映されることになる。
修正規範の新たな規定は、現在、昼間のKBの際にポーカーとカジノのウェブサイトを広告しているブックメーカーに影響を与えることになるが、これらのブックメーカーはオンライン・スポーツ賭けを広告することを許可されることになった。
修正規範はまた、トート社(Tote)の立場を明確にし、かつ確認している。同社は、今年末にチャンネル・フォー・レーシング(Channel 4 Racing)とのスポンサー契約から手を引くことになっている。これは今月末から別の複数のブックメーカーが同チャンネルのテレビ番組の前後と番組中に 広告することを許可されることになったのが主な理由である。
新規範は、イギリス・ブックメーカー協会(Association of British Bookmakers: ABB)を含む業界団体によって監視されることになる。ABBの専務理事トム・ケリー(Tom Kelly)氏は、「私たちは、現実的になる必要があり、受け入れ可能です」と述べている。
RGAの専務理事クライヴ・ホークスウッド(Clive Hawkswood)氏は、「私たちは、強い圧力を受けていましたが、我々の従来からの主張を追加するための交渉に努力してきました。少なくとも、ブック メーカーは近々、これまではまったく不可能であった領域で広告できるようになります」とあきらめた顔で付言した。
新規範は、主要な広告規則を補足するものである。この規則は、広告慣行委員会(Committee of Advertising Practice: CAP)および放送広告慣行委員会(Broadcast Committee of Advertising Practice: BCAP)によって作成されかつ適用される。CAPは、放送以外の分野における広告規範を担当し、BCAPは広告主、広告代理店および放送事業者を代表す る業界委員会であり、放送規範を定め、見直しかつ改正する。
午後9時前の広告規制のほか、ギャンブルに関する助言と情報提供のために設置された新たなウェブサイト(gambleaware.co.uk)について すべての広告の中で説明することと、子供向け商品にブックメーカーのロゴやその他の宣伝資料の表示を禁止することが特別の要件に含まれている。
新規範のコピーは、ABBおよびRGAを含む支援団体のウェブサイトから入手することができる。
By Howard Wright
〔Racing Post 2007年8月8日「Bookmakers spared total ban on television advertising」〕