海外競馬ニュース 2007年11月01日 - No.42 - 1
ブリーダーズCとメルボルンCで国際3連単賭金プール実施(国際)[開催・運営]

 国際競馬統轄機関連盟(International Federation of Horseracing Authorities:IFHA)の作業部会が、今年から本格的な国際賭事を確立しようと推進している中、10月末開催のブリーダーズカップと11月開催のメルボルンカップで国際3連単賭金プールの馬券が発売される。

 合同賭金プールによる国際3連単馬券が、6月のフランス・オークス(Prix de Diane GI)で初めて発売され、それに続いてロイヤルアスコット開催で2回、南アフリカで2回の計5回にわたり発売された。作業部会の会長で、フランス場外馬券発売公社(Pari Mutuel Urbain: PMU)の会長ベルトラン・ベランギエ(Bertrand Belinguier)氏は、この実施に対してさまざまな反応があったと述べた。

 賭金プールは、第1回は5万ドル(約600万円)で、南アフリカの初めのレースでは60万ドル(約7,200万円)であり、また、参加国数は第1回は10ヵ国、最近に実施した7月半ばには5ヵ国とさまざまであった。

 ベランギエ氏は、パリ国際競馬統轄機関会議(IFHA annual conference in Paris:パリ会議)において、「最初の結果は、ささやかなものでした。私たちは大変楽観していますが、目標を達成するために時には強引に前進すべき場合があります」と述べた。

 また同氏は、競馬はますます国際化しており、国際合同賭金プールは運営国と“ゲスト国”双方にとって利益があったと述べた。

 ベランギエ氏は、国内の大レースを国外に販売促進する能力、エキゾティック馬券により違法賭事と闘う手段などを得ることになります。顧客は、魅力ある払戻金につながる大規模な賭金プールにすぐに投票できます。そして、時には人生を変えてしまうような配当金をもたらしたり、その国の馬が外国の大レースに出走することで賭事客の興味をかき立てたり、参加者すべてに対して公平な同一の配当ができるというメリットがあります」と語った。

 ベランギエ氏は、運営国もゲスト国も、営利活動の容認、ルール、税率について大きな違いがあり、技術的な問題もあって、国際合同賭事プールによる賭事の遂行は、大変複雑で手間がかかったことを認めた。

 ベランギエ氏は、「大仕事になるだろうと考えていましたから、失望はしていません。魅力的な仕組みを考案すれば、あらゆる点で有益ですので、情熱を持ち続けます」と語った。

 IFHAには新しい技術部会が設けられ、試みは2008年も確実に続けられる。

 3連単以外の馬券についての話合いは、来年度のプログラムが決定した後、12月に米国アリゾナ州ツーソンで開催される国際シンポジウムで行われるだろう。

By Howard Wright

[Racing Post 2007年10月10日「Global trifectas at Breeders’ Cup and Melbourne」]