海外競馬ニュース 2007年12月27日 - No.50 - 3
注意欠如による馬インフルエンザの発生(オーストラリア)[獣医・診療]
イースタンクリーク検疫所で検疫馬に付き添っていた厩務員によれば、オーストラリアでの馬インフルエンザが流行した原因は、発熱馬への配慮があきらかに欠如していたことと、ずさんな記録管理によるという。
クールモア牧場(Coolmore)の厩務員ジェームズ・ケアリー(James Carey)氏は、元連邦裁判所判事のイアン・カリナン(Ian Callinan)氏が指揮している調査で、クールモア牧場所有の種牡馬がイースタンクリーク検疫所に到着したとき、エンコスタデラゴ(Encosta De Lago)は、体温が38.6度まで上がっており、軽い咳をし、鼻水がでていたと証言した。しかし、アイルランドではすべての馬にワクチンが接種されており、ケアリー氏自身が馬インフルエンザに罹患した馬に遭った経験がなく、エンコスタデラゴの病因がそれであるという考えが浮かばなかったと説明した。同氏によれば、その後数日にわたって、同馬の近くにいた馬たちが同じ症状を見せはじめたという。同氏はまた、厩務員たちがイースタンクリーク検疫所に出入りする際に記帳することになっている業務日誌は、所定の場所に置かれていなかったので、必ずしもいつもサインしていたわけではないと証言した。
オーストラリア当局は、インフルエンザウイルスの同検疫所外への流出の原因は、検疫所を出入りする際に消毒ガイドラインを遵守しなかった者がいたためであるとしている。カリナン氏による独自の調査は、11月13日に始まっており、100人以上の人から事情が聴取される予定である。
By Ric Chapman
[The Blood-Horse 2007年12月1日「Ignored rules led to EI outbreak」]