カリフォルニア州競馬委員会(California Horse Racing Board: CHRB)は、サンタアニタパーク競馬場で施行される2008年ブリーダーズカップ(Breeders’ Cup World Championships:BCWC)の競走において、アナボリック・ステロイドを禁止する初めての開催とすることを計画している。
CHRBの、リチャード・シャピロ(Richard Shapiro)氏が委員長、ジョン・ハリス(John Harris)氏が副委員長を務める薬物委員会は11月28日、最もよく使用される4種のアナボリック・ステロイドを禁止薬物リストに追加して、公式に尿検査の対象とすることを提案した。委員会は11月29日、満場一致でこの提案を承認した。
CHRBの馬医療担当理事であるリック・アーサー(Rick Arthur)博士は、「ブリーダーズカップ社(Breeders’ Cup Ltd.)は、この措置に全面的に賛成しています」と述べた。
これらのことは、プロセスの1段階にすぎない。薬物委員会はまた、これら4種のアナボリック・ステロイドを失格や出走停止などの罰則の対象とするクラス3に分類(格上げ)することも計画している。現在、これらはクラス4に分類されており、罰則は警告のみである。
アーサー博士は、7月までにアナボリック・ステロイドに関するルール変更を実施したいと語った。2008年のBCWCは10月24、25日に開催される。
アーサー博士は、尿中許容レベルが決まれば、アナボリック・ステロイドの影響下に出走馬が確保されるだろうと述べた。規制対象となるアナボリック・ステロイドは、スタノゾロール(尿1 ml.に1ナノグラム)、ナンドロロン(牝馬・せん馬に1ナノグラム、牡馬に45ナノグラム)、ボルデノン(せん馬以外の牡馬に15ナノグラム)、およびテストステロン(牝馬に55ナノグラム、せん馬に20ナノグラム)である。去勢されていない牡馬はテストステロンに関する規制を受けない。
この提案は、薬物規制標準化委員会(Racing Medication and Testing Consortium: RMTC)と北中米競馬委員協会(Association of Racing Commissioners of International:RCI)の模範ルールを手本としている。尿サンプルよりも正確であるとされている血液サンプルでのステロイド検査をCHRBが望むのであれば、許容レベルの基準を別に定める必要がある。
アーサー博士は、アナボリック・ステロイド治療中の馬について出走禁止期間は定めなかったが、最低2ヵ月間は出走を控える必要がある。
カリフォルニア州では、ほかに40以上のアナボリック・ステロイドをクラス3薬物に分類することが検討されている。
委員会には、州内の馬のセリにおけるアナボリック・ステロイド使用を規制することに対する懸念の声もあるが、それに関しては具体的な動きは見られない。
By Jack Shinar
[The Blood-Horse 2007年12月8日「CHRB approves Testing for Anabolic Steroids」]