一般に競馬とサッカーは親密な関係にあるが、チェルトナムでは団結が一層緊密になるだろう。チェルトナム競馬場は、天候の影響を受けやすいテント張りのフェスティバル会場に、1万席の観覧席を建設しサッカー競技場のスタンドとして共用する計画を作成し、関係当局の許可を求める意向である。この競技場は、チェルトナムのサッカークラブ“リーグ1”の新たなホームグラウンドとしても活用される予定である。
今年のチェルトナムフェスティバルの2日目、時速55マイル(約88.5 km)の突風により仮設のギネスビール・スタンドが一部倒壊し、安全上の理由により競馬ファンの同スタンドへの立入りが禁止された。
チェルトナム競馬場のエドワード・ジレスピー(Edward Gillespie)専務理事は6月28日、「報告を受けて理事会が示した最優先事項は、2度とこのような問題を引き起こさないことです。私たちはこれに基づき、チェルトナムタウンFC(Football Club)およびチェルトナム自治区議会と協議を始めました」と述べた。
「チェルトナムフェスティバルの入場者の半分以上がテント張りのフェスティバル会場とギネスビール・スタンドに収容していたのですから、行動を起こす必要がありました。サッカー競技場とスタンドを共用することは、前向きで理にかなった解決策のように思われます。芝が張られた競技場はチェルトナムフェスティバルの間、カバーが掛けられて、色々な屋台が並ぶでしょう」。
ジレスピー氏は、「サッカークラブの代表ポール・ベイカー(Paul Baker)氏にこの考えを伝えたところ温かく受け入れてくれました。私たちはすでに親密な関係を築いています。サッカークラブのホームグラウンドであるホエドンロード競技場(Whaddon Road stadium)はここから半マイルも離れておらず、従来から当競馬場の駐車場をパーク・アンド・ライド施設(駐車場と競技場の間をシャトルバスで移動する)として利用しているのは、その一例です。競馬ファンとサッカーファンの反応が楽しみですし、大多数が支持してくれるでしょう」と付言した。
チェルトナム競馬場は6月27日、このプロジェクトを担当するコンサルタントと契約した。ジレスピー氏の構想は、現在テント張りのフェスティバル会場の場所(最終の固定障害に近接している)にサッカーグラウンドを新設し、サッカーグラウンドと馬場の間に両面型メインスタンドを建設するというものである。このタイプのメインスタンドの例は、リーズ州ヘッディングレーのカーネギー競技場である。この競技場では、ヨークシャー郡クリケットクラブとリーズ州ラグビーリーグがメインスタンドを共用している。
7500人収容のホエドンロード競技場は、チェルトナム自治区議会が賃貸しており、宅地用地が限られているこの地域においては開発用の一等地と見なされている。
約30年にわたってチェルトナムタウンFCのサポーターであり競技場の常連であるジレスピー氏は、建設見込額を示さなかったが、建設費はチェルトナム競馬場、チェルトナムタウンFC、自治区議会その他の共同出資者ならびに“この競技場の命名権を得た者(未定)”の間で分担することになろうと述べた。
ジレスピー氏は、「競馬場は緑化地帯にあり、建設計画の承認手続きに長期間を要するので、当面、工事は行いませんが、3〜5年以内に計画が具体化するよう望んでいます」と付け加えた。
サッカー競技場建設には、現在のテント張りのフェスティバル会場の半分の用地が必要である。もしサッカー施設が開発計画に加えられれば、フェスティバルの客はすべて常設施設に収容できることになる。
ベイカー氏は6月28日、「わくわくするようなプロジェクトです。調達資金の範囲内であらゆる選択肢を検討しようと思います」と語った。
By Rodney Masters
[Racing Post 2008年6月29日「Cheltenham seeks football tie-up as festival solution」]