海外競馬ニュース 2008年09月04日 - No.35 - 1
外国馬のメルボルンカップ参戦に暗雲(オーストラリア)[その他]

 オーストラリアの厳格な検疫規制を回避できないことから、2008年11月のメルボルンカップの週のカーニバル開催で、日本馬の姿を見ることはないだろう。

 レーシングヴィクトリア社(Racing Victoria Limited: RVL)は、この問題について妥協点を模索していたのだが、結局オーストラリア生物安全局(Bio-security Australia: BA)から日本馬のオーストラリアへの直接入国を許可しないという公式通知を受けた。

 BAは同時に、世界中の多数の検疫施設からオーストラリアに輸送されるすべての競走馬に対して、14日間の出国検疫および21日間の帰国検疫を課すことを正式に発表した。

 RVLの最高経営責任者ロブ・ハインズ(Rob Hines)氏は、「2006年メルボルンカップ優勝馬デルタブルース(Delta Blues)と2着馬ポップロック(Pop Rock)が再びメルボルンで出走できたかもしれないのに、大変残念です」と述べた。

 同氏はまた、「BAは、日本馬をオーストラリアに連れてくることができる唯一の選択肢は香港やシンガポールのような認可された第3国経由で輸送することであると発表したが、それぞれの場所で課される検疫期間を考えれば、この選択肢は日本馬関係者にとって受け入れ難いでしょう」と語った。

 厳しい検疫規制のために管理馬がメルボルンカップに出走できなくなるのではないかというエイダン・オブライエン(Aidan O’Brien)調教師の懸念を和らげるために、RVLはバリードイル勢(Ballydoyle:馬主のクールモア牧場とオブライエン調教師)と連絡を取っていた。オブライエン調教師はカーニバル開催に15頭を出馬登録しており、その中にはイギリスのブックメーカーの間ではメルボルンカップの現時点での本命馬とされているセプティマス(Septimus)が含まれている。

 ハインズ氏は、次のように付言した。「欧州と北米が受け入れることのできる検疫体制とするために、すべての関係者と力を合わせます。昨年の馬インフルエンザの発生により、オーストラリアへの遠征馬が受ける出国および帰国検疫手続きが強化されています。メルボルンカップの週のカーニバル開催への外国馬の参戦に影響を及ぼす恐れのあるすべての問題の解決に努めます」。

By Racing Post staff

[Racing Post 2008年8月26日「Japanese horses barred from Melbourne spring carnival」]