馬主はめったなことでは絶句したりしないものだが、マーヴィン&ジョエル・カニンガム(Marvin and Joel Cunningham)氏は、ルイジアナ州産の2歳牝馬タイガーアイド(Tiger Eyed)が仔馬を出産したことを知らされたときには開いた口がふさがらなかった。
この突飛な出来事は8月20日、ハラス・ルイジアナダウンズ競馬場の厩舎で起きた。パトリック・モートン(Patrick Mouton)調教師が午前5時、トラックで馬房33-Cに乗りつけたときには、すでに人だかりができていた。
モートン調教師は「トラックを止めると、たくさんの人々が厩舎に詰め掛けていました。通常これは誰かが負傷したことを意味します」と語った。
交通事故の見物人のような人だかりは実は、口コミで広まったこのとてつもない出来事に驚き、確かめに来た厩務員、調教師、調教騎手、騎手たちであった。
タイガーアイド[ルイジアナ州産2歳牝馬: 父アイド(Ide)母ラブスウェプト(Loveswept Cat)、母の父タクティカルキャット(Tactical Cat)、8月最終週初めに600 m 36秒2/5の走行タイムを記録]の傍らには牝の仔馬がいた。
モートン調教師は、「タイガーアイドは、調教の初期段階に入ったばかりで、馬なりの調教を開始したところでした。まったく面食らいました。これは放牧地のようなところで起きることです。どこかに牡馬が紛れ込んでいたか柵を飛び越えたに違いありません」と述べた。
タイガーアイドとその仔馬はロサンゼルスのベントン近郊にある地元の牧場に運ばれた。ここで代りの授乳するための代理牝馬がこの新生馬に栄養を与える予定である。
モートン調教師は「競馬場が仔馬にとって良い環境でないことは明らかです。その上、母馬がまだ幼すぎます」と語った。
モートン調教師は、タイガーアイドが9月初めに競馬場で調教を再開できるように望んでいると述べた。
By Gary McMillen
[The Blood-Horse 2008年8月30日「Filly in Training Gives Birth」]