イギリス競馬のための財源として賭事産業から徴収する賦課金について、2009−2010年の賦課計画が10月31日に合意に達した。
この合意内容は、次のとおりである。
(1) 2009年の競馬開催しないこととしていた4日曜日について、開催を回復し、それぞれ2開催(計8日)を割当てること、(2) おおむね104レースの施行を追加すること、(3) 競馬賭事賦課公社(Levy Board: 賦課公社)の賞金補助金を1開催当たり4万ポンド(約960万円)増額すること、(4) 賦課金が減額される場外賭事業者を、イギリス競馬に関する賭事の年間粗利益が9万ポンド(約2160万円)未満の業者とすること[従来は8万5700ポンド(約2050万円)未満]
(注)この基準以上の場外賭事業者に対する賦課金は、年間粗利益の10%
この包括的合意には、賦課公社の賦課制度の改革に着手する確約のほか、小規模な場外ブックメーカーおよび場内ブックメーカーへの支援措置が含まれる。
2009−2010年度の賦課計画の交渉の混乱ぶりをブックメーカー委員会のクリス・ベル(Chris Bell)委員長は “クレージー”と表現し、賦課公社のメンバーであるデーヴィッド・ソープ(David Thorpe)氏は“モロッコの市場”と表現した。関係者にとっては賦課計画の決定方法の改革がいまや最優先の課題となっている。
2009−2010年の競馬の主要資金源となる賦課計画の交渉は、調停役である前最高裁判所判事フィリップ・オットン(Sir Philip Otton)氏の1日半にわたる仲介努力、そして賦課公社のオフィスでの約5時間にわたるすったもんだの話し合いを経て、時間切れになる真夜中のたった1時間前にようやく合意にこぎつけた。
ラドブロークス社(Ladbrokes)の最高経営責任者ベル氏は、「私たちは決着をつけなければなりませんでした。まったくクレージーで、とんでもないことです。私はやるべき仕事があったのに、この一件のために1週間ずっと動きが取れないでいました」と述べた。
イギリス競馬場協会(Racecourse Association)のソープ会長は、「私はもう二度とこのようなことは繰り返したくはありません。非常に骨が折れましたし、時間の無駄です」と述べた。
By Howard Wright
(1ポンド=約240円)
[Racing Post 2008年10月31日「Levy deal agreement sees blank Sundays filled」11月1日「All sides call for modern levy after ‘crazy’ day」]