週末の11月29、30日に中国本土で商業競馬の新たな試みが行われる予定である。
その開催は、中国中部の広大な産業都市武漢のオリエントラッキーシティ競馬場(武漢東方馬城)で行われる。
武漢に新しく建設された客席3万席の同競馬場において、4つの競走が合計賞金1万7570ドル(約193万2700円)で試行的イベントとして行われる。
ただし賭事は、現金の払い戻しではなく、的中者の中から抽選で商品が提供される。
新華社(中国の国営通信社)の今年初めの記事によれば、中国政府は商業競馬を解禁することにより300万人の雇用創出と、1年で200億元(約3000億円)の税収を期待できるとして、競馬賭事の合法化を検討しているとのことであった(訳注:新華社は直後に取り消し記事を掲載した)。
武漢スポーツ省の副主任であるワン・シェンシュン(Wang Shenshun)氏は、今回の開催は中国競馬の商業化に向けての実験となるだろうと述べた。
しかしこの最新の実験は、決して近代中国で商業競馬を確立する最初の試みというわけではない。
北京では数百万ドルの費用をかけて競馬を興そうという試みがあったが失敗に終わり、2005年には数百頭の競走馬が殺されたという報道があり、それから3年たった。
それは、賭事が合法化されることを期待して北京郊外に莫大な費用をかけ全ての機能を備えた競馬場と生産施設を建設し、イギリス人のナイジェル・スミス(Nigel Smith)氏など世界中から調教師たちを雇い入れていた。
開催は毎週末に、5000人の観客を前に事実上の賭事を提供する“推測ゲーム”の宝くじスタイルで行われていた。
しかし、香港を本拠とする玩具メーカーのオーナーは、このような冒険的事業を企てたものの、2005年に政府の賭事に対する禁圧方針を覆せないことが明らかになった時、競馬事業の生命維持装置を抜いた。
(1ドル=約110円)
(1元=約15円)
[Racing Post 2008年11月27日「Commercial horseracing experiment in China」]