海外競馬ニュース 2009年01月08日 - No.1 - 1
ケンタッキー州競馬委員会、故障馬の 血液サンプルを採取(アメリカ)[獣医・診療]

 キーンランド競馬場の秋開催から、ケンタッキー州競馬委員会(Kentucky Horse Racing Commission: KHRC)の獣医委員たちは、致命傷か救急搬送されるほどの重傷を負ったサラブレッドから血液を採取している。

 KHRCの馬医療担当部長メアリー・スカレー(Mary Scollay, D.V.M.)博士が、血液サンプル採取を監督している。同博士は現在、故障馬の血液サンプルと健康な状態でレースを終えた馬の血液サンプルを比較する調査を検討している。

 例えばケンタッキー州は、すべての勝馬の血液サンプルを採取しており、これらのサンプルは故障馬のサンプルと比較が可能になる。

 スカレー博士は、故障馬は禁止薬物を投与されたりまたは合法薬物を過剰投与されたりしてレースに臨んでいると一般に認識されていると語った。同博士はその認識に疑問を呈し、事実解明を望んでいる。

 スカレー博士は、「現実のデータによっておそらく、その真偽が明らかになるでしょう」と述べた。

 現在馬故障データベース(Equine Injury Database)と呼ばれている馬の故障に関する全国的なデータ収集が、ジョッキークラブの協力により実施されており、スカレー博士は故障馬に関する情報収集プロジェクトの指導者である。

 ケンタッキーの故障馬の血液サンプルは現在冷凍保存されており、共同研究者の分析作業を待っている。スカレー博士は、冷凍した血液サンプルは約6ヵ月しか用いることができないと語った。

 ケンタッキーの法律では薬物検査は州内で実施するものとされているが、実際にはアイオワ州の検査機関で行われているため、研究がスムースにいかない原因のひとつになっている。スカレー博士は血液サンプルを採取した同じ場所で薬物検査を行うのが理想的であると述べた。

 12月15日、競馬の将来に関する州知事特別調査委員会(Governor’s Task Force on the Future of Horse Racing)はケンタッキー州に、薬物検査施設を建設するよう勧告した。

By Frank Angst


[thoroughbredtimes.com 2008年12月15日「KHRC collecting blood samples of injured horses」]