海外競馬ニュース 2009年03月26日 - No.12 - 2
英国のインターネット賭事業者、フランスへの進出を目指す(イギリス)[開催・運営]

 2010年1月からフランスでインターネット賭事市場が開放される。英国を拠点とするインターネット賭事業者は、この夏にスポーツ賭事とポーカー賭事の営業免許の審査が始まれば真っ先に申請するだろう。

 3月5日エリック・ヴォルト(Eric Woerth)予算大臣は、インターネット賭事の税率をポーカーは2%、競馬と一般スポーツは7%とすると発表した。これによって、フランス宝くじ公社 (Francaise des Jeux)とフランス場外馬券発売公社(Pari Mutuel Urbain: PMU)を介した、国家による賭事市場独占がまさに崩れようとしている。

 ラドブロークス社(Ladbrokes)のe Gaming(オンライン賭事)担当役員のジョン・オレイリー(John O’Reilly)氏は、「インターネット賭事免許の審査要綱の詳細はまだ示されていません。経済状態が良ければ、要綱を精査し、フランスのインターネッ ト賭事市場への進出を検討するつもりです」と述べた。

 同氏は次のように付言した。「ラドブロークス社とPMUは、長年に渡り敵対関係にありましたが、1990年代半ばに和解して、その後はフランス市場を標 的にしませんでした。つまりフランス語によるインターネット賭事提供をしてこなかったのです。しかし、状況は変わりつつあります。今回の動きは非常に大き なビジネスチャンスの糸口になるでしょう」。

 ヴォルト大臣によれば数週間後に賭事に関する法案が発表され、2010年1月1日の市場開放の実施に向けて、夏休み前には国会で採決される見込みである。

 賭事営業免許は有効期限は5年で、賭事運営業者に付与される予定である。

 インターネット以外での賭事には変更がなく、PMUの競馬プール賭事の独占は維持される。固定オッズ賭事(fixed-odds betting)はサッカーやテニスのような他のスポーツを対象とした賭事には認められるだろう。

 フランスの賭事市場開放は、域内サービス市場の自由化を目指す欧州委員会(European Commission:EC)からの圧力に端を発し、これまでフランス政府代表者とECの競争政策担当委員チャーリー・マクリービィ(Charlie McCreevy)氏との間で協議が続いていた。

By Howard Wright

[Racing Post 2009年3月6日「UK online companies eye French gambling licences」]