海外競馬ニュース 2009年04月09日 - No.14 - 1
チャーチルダウンズ社、事業の多様化で収益を伸ばす(アメリカ)[開催・運営]

 2008年にチャーチルダウンズ社(Churchill Downs Inc.: CDI)はゲーミング事業とインターネット賭事事業が好調に推移し、売上高が4.8%増加した。

 2008年の競馬場の売上げは、チャーチルダウンズ競馬場では前年比0.9%増の1億1803万3000ドル(118億330万円)であったが、他3場 で減収となり、全体で8.8%減少した。コールダー競馬場は、ホースマンとの交渉で電話投票賭事(advance-deposit wagering: ADW)の収益とスロットマシン事業から得られる将来の収益について合意できず、サイマルキャストとADW業者への映像送信を阻止される事態となった。紛 争は解決したものの、同競馬場の売上げは急落した。CDIのロバート・エヴァンス(Robert Evans)会長は合意に達したことにより競馬場の売上げは2009年にある程度回復し、またADW事業の売上げにも寄与するだろうと述べた。

 一方、ゲーミング事業は売上げが73.5%増加し、また初めて1年を通して提供したインターネット賭事事業は売上げが伸び続けた。CDIはこれによって、アメリカ経済が苦境に陥っている中でも、好調な業績を持続できた。

 エヴァンス会長は、「競馬場の売上げが当初の見込みを上回る減少となりましたが、ゲーミング事業とインターネット賭事事業の売上げがそれを補完しました。2008年の業績は、事業の多様化の成果であると確信しています」と述べた。

 インターネット賭事事業分野では、CDI所有のADW運営会社であるツインスパイアーズ・コム社(Twinspires.com)の通年運営と顧客層の拡大によって、売上げが前年比で3170万ドル(約31億7000万円)増加した。

 ゲームミング分野では通年運営および2008年11月にフェアグラウンズ競馬場でオープンした常設スロットマシンの運営が売上げ増に寄与した。同競馬場 のスロットマシンの売上げは前年比2150万ドル(21億5000万円)増となった。CDIのゲーミング事業とインターネット賭事事業の合計売上げは同社 の総売上高の約24%を占めている。

 エヴァンス会長は、2009年はフェアグラウンズ競馬場のスロットマシンの通年運営から恩恵を受けたことについて、「少なくとも2010年いっぱいはゲーミング事業が引き続き成長するでしょう」と述べた。

 CDIは2009年末か2010年初めに8500万ドル(約85億円)をかけてコールダー競馬場にスロットマシン施設を設置する予定である。

 2008年のCDIの売上げは4.8%増加したが、そのほか自然災害による損害保険金1720万ドル(17億2000万円)を受取った。これによって純利益が81.5%増え、2854万9000ドル(約28億5490万円)になった。

By Frank Angst
(1ドル=約100円)

[Thoroughbred Times 2009年3月14日「Diversified Churchill increases profits」]