海外競馬ニュース 2009年01月15日 - No.2 - 1
ロワイエ=デュプレ氏、リーディング トレーナーのタイトル初獲得(フランス)[その他]

 アラン・ド・ロワイエ=デュプレ(Alain de Royer-Dupre)調教師は2008年、2つのクラシック競走を含む7つのG1競走を制し、初めてフランスのリーディングトレーナーのタイトルを獲得した。このことで、1972年に調教事業を開始し、1987〜2007年に9つクラシック競走とその他23のG1競走を制した同調教師のキャリアは頂点に達した。

 フランスにおいてリーディングトレーナーのタイトルは1986年からアンドレ・ファーブル(Andre Fabre)調教師が誰にも明け渡さなかった。ロワイエ=デュプレ調教師は2008年欧州年度代表馬ザルカヴァ(Zarkava)を管理したことも手伝って、ついにファーブル調教師の王座を奪取した。ザルカヴァは2008年に凱旋門賞(G1)、フランスオークス(G1)、フランス1000ギニー(G1)を制した。

 64歳のロワイエ=デュプレ調教師は2008年のフランス平地競走のシーズンにおいて235戦48勝し、797万7658ドル(約7億9777万円)を獲得した。一方ファーブル調教師はより多くの出走馬を出しより多くの勝鞍を上げた(539戦116勝)が、ロワイエ=デュプレ調教師がザルカヴァで凱旋門賞を優勝し、315万5499ドル(約3億1555万円)を獲得したため、総収得賞金額で112万220ドル(約1億1202万円)の差をつけられた。なお、ファーブル調教師は現在までに凱旋門賞を7回制している。

 ロワイエ=デュプレ調教師は、生産者アガ・カーン(Aga Khan)殿下のために調教したザルカヴァについて次のように語った。「2008年は私にとって最高のシーズンの1つでした。これはザルカヴァのおかげであると言わざるを得ません。ザルカヴァはおそらく私が今までに管理した中で最高の牝馬で、卓越した馬です。いつも2馬身以上差をつけて勝ちましたし、それでも余力を残していました。私がこれまでに管理した最高の牡馬はダラカニ(Dalakhani)です。同馬もアイリッシュダービー(G1)さえ負けなければ、間違いなく無敗馬だったでしょう」。

 アガ・カーン殿下は2008年のシーズンの後、ザルカヴァを引退させた。そして同殿下はザミンダー(Zamindar)の牝馬であるザルカヴァとダーシャーン(Darshaan)の牡馬であるダラカニを交配させる。ダラカニは2008年ブリーダーズカップ・ターフの優勝馬コンデュイット(Conduit)を輩出している。

 2008年は素晴らしいシーズンであったが、ロワイエ=デュプレ調教師はもう1頭のアガ・カーン殿下の生産馬モンマルトル[Montmartre 父モンジュー(Montjeu)]を擁しており、2009年のシーズンにも期待している。同馬は2008年7月のパリ大賞(G1 ロンシャン競馬場)に優勝している。

 ロワイエ=デュプレ調教師は、パリ大賞の後、軽度の故障に泣いた3歳牡馬モンマルトルの状態について次のように語った。「モンマルトルはとても状態が良く、通常どおり調教しています。2009年はシーズンの初めに競走への出走を開始させて、夏に休養させ、凱旋門賞を狙うということも考えています」。

 同調教師は、そのキャリアの大半においてフランス国外でも成功を収めている。同調教師は1984年の第1回ブリーダーズカップ・ターフをラシュカリ(Lashkari)で、2005年のアイリッシュオークス(G1)をシャワンダ(Shawanda)で、イギリスと香港のG1競走をプライド(Pride)で制している。

 ロワイエ=デュプレ調教師は、フランスのシャンティイを拠点とし、アガ・カーン殿下のために約70頭を管理している。同調教師の父親は、フランス国立種馬場(French National Stud)の場長を務めていたので、同調教師はショージャンパー(障害競技選手)として初めて馬の扱い方を学んだ。

By Desmond Stoneham
(1ドル=約100円)

[Thoroughbred Times 2008年11月29日「Royer-Dupre dethrones Fabre in France」]