フロリダ中部でチャペルロイヤル（Chapel Royal）を繋養することは、リジックのウィリアム・シュタイン（Willliam Schettine）氏が所有するシグネチャー牧場（Signature Stallions）にとって夢であった。それまでケンタッキー州ヴァーセールのアシュフォード牧場（Ashford Stud　訳注：クールモアグループ）において4シーズンを種牡馬として過ごした同馬は、2008年10月にシュタイン氏によって購買された。

　チャペルロイヤルの牡馬フィールドチャペル（Field Chapel）が12月7日、阪神競馬場の2歳未勝利レースで優勝したことにより、北半球における新種牡馬の勝馬（実頭数）記録を塗り替えた。

　ペンシルベニア産のフィールドチャペルは、チャペルロイヤル初年度産駒の36頭目の勝馬となり、2006年にアイリッシュナショナルスタッド繋養のアイルランド産種牡馬インビンシブルスピリット（Invincible Spirit）が打ち立てた記録35勝馬を破った。

　シグネチャー牧場が10月6日、チャペルロイヤル［7歳　G2勝馬　父モントブルック（Montbrook）母カットクラスリーアン（Cut Class Leanne）その父カットラス（Cutlass）］を繋養することを発表した時点で、同馬は17頭の勝馬を輩出していた。

　ケンタッキー州において、チャペルロイヤルは過去4シーズンにおいて最も人気のある種牡馬の1頭で、2005年〜2008年にそれぞれ222頭、166頭、165頭、194頭の種付をしている。同馬の2009年の種付料は1万ドル（約100万円）となるだろう。

　シグネチャー牧場の場長ビル・バゼル（Bill Bazzell）氏は、「みんなチャペルロイヤルのことが気に入っています。彼は卓越した馬で、素晴らしい存在感があり、非の打ち所のない馬格をしています。今や36頭の勝馬を輩出しました。父ゆずりの青毛の勝馬も見たいのですが、それも時間の問題だろうと思います」と述べた。

　チャペルロイヤルの174頭の初産駒は12月11日までに81頭出走している。それらの出走馬のうちアーリントンワシントン・フューチュリティー（G3）で3着だったアドバイス（Advice）を含む3頭がステークス競走で入着した。2009年のチャペルロイヤルの種付頭数は100頭前後になるとバゼル氏は予想している。

　トッド・プレッチャー（Todd Pletcher）調教師により管理されたチャペルロイヤルは、初出走から3連勝し、その着差は合計20馬身1/4であった。それにはベルモントパーク競馬場でのフラッシュS（G3）とサラトガ競馬場でのサンフォードS（G2）の連続優勝が含まれる。同馬はその後、ホープフルS（G1）とシャンペインS（G1）で2着になり、BCジュヴェナイル（G1）で3着に入った。

 

2008年新種牡馬勝馬記録（2008年12月11日現在）
種牡馬	その父馬	出走馬	勝馬
チャペルロイヤル（Chapel Royal）	モントブルック（Montbrook）	81	36
ライオンハート（Lion Heart）	テールオブザキャット（Tale of the Cat）	81	31
ピースルールズ（Peace Rules）	ジュールズ（Jules）	44	23
タピット（Tapit）	パルピット（Pulpit）	50	20
キャンディライト（Candy Ride）	ライドザレイルズ（Ride the Rails）	40	18
アルク（Alke）	グランドスラム（Grand Slam）	32	17
キューベ（Cuvee）	カーソンシティ（Carson City）	51	17
メダグリアドーロ（Medaglia d'Oro）	エルプラード（El Prado）	52	17
オメガコード（Omega Code）	イルーシブクオリティ（Elusive Quality）	39	17

By Jeff Lowe
（1ドル=約100円）

［Thoroughbred Times 2008年12月20日「Chapel Royal rewards new owner with record」］