カリフォルニア州競馬委員会(California Horse Racing Board: CHRB)は12月5日、BCフィリー&メア・ターフ(G1 2008年10月24日施行)で3着のウェイトアホワイル[Wait a While 2006年3歳牝馬チャンピオン トッド・プレッチャー(Todd Pletcher)調教師管理]がプロカイン(局所麻酔薬)の陽性反応を示したことを確認した。プレッチャー調教師は、検出されたプロカインは抗生物質ペニシリンGの中に含まれていたものと釈明している。
カリフォルニア大学デーヴィス校のマディ研究所(Maddy Laboratory)は、ウェイトアホワイルから採取した血液サンプルには閾値を越えるプロカインが含まれていたと報告した。CHRBはこれを受けて、プレッチャー調教師を聴聞する。この局所麻酔薬は、ペンシルベニア州馬研究所(Pennsylvania Equine Research Laboratory)によっても確認された。
通常抗生物質と混合して馬に投与されるプロカインは、30日以上の業務停止処分が課される第3類の禁止薬物である。
プレッチャー調教師は12月5日にコメントをする代わりに声明文で次のように述べた。「ウェイトアホワイルは9月27日サンタアニタ競馬場でのイエローリボンS(G1)を優勝した2日後に発熱しました。他の抗生物質では良い効果がありませんでした。そこで、獣医師たちと話し合った結果、ペニシリンを投与するのが一番であると判断しました。使用中止期間は2週間であるというアドバイスを受け、ウェイトアホワイルはブリーダーズカップの18日前である10月6日にこの抗生物質の最後の注射を受けました」。
「ニール・パピアーノ(Neil Papiano)弁護士と協力して、CHRBの聴聞で事実を証明するつもりです」。
馬主がアリンデール牧場であるウェイトアホワイルは、BCフィリー&メア・ターフで3着に入着したが、競走失格と賞金没収[21万3000ドル(約2130万円)]の制裁を受ける恐れがある。ハリウッドパーク競馬場の裁決委員はウェイトアホワイルに関する聴聞を12月14日に予定しているが、プレッチャー調教師への聴聞日程は未定である。
なお、この件はプレッチャー調教師にとって近年2回目の陽性反応である。最近では2006年に管理馬テールズオブグローリー(Tales Of Glory)にメピバカイン(mepivacaine)の陽性反応が出たため、45日間の業務停止処分を申し渡されていた。
ブリーダーズカップ社(Breeders’ Cup Ltd.: BCL)の業務担当主席副社長パム・ブラッツ=マーフ(Pam Blatz-Murff)氏はウェイトアホワイルの陽性反応について次の声明を出した。
「BCLは出走馬のレベルと公正確保の維持に努めています。2008年はCHRBと協力して米国競馬の薬物検査を強化する事業に取り組みました。BCLはCHRBの処置を支持します」。
2009年のブリーダーズカップもまた、サンタアニタ競馬場での開催が予定されている。
By The Blood-Horse Staff
(1ドル=約100円)
[The Blood-Horse 2008年12月13日「Wait a While Tests Positive in Breeders’ Cup」]