世界最大のソーシャル・ネットワーキング・サービス(訳注:人と人とのつながりを支援・促進するコミュニティ型のウエッブサイトのこと)である“フェー スブック(Facebook)”において、他人の名前をかたる“成りすまし”が発覚した。本人のニッキー・ヘンダーソン(Nicky Henderson)調教師は8月25日にこれを知らされて愕然としている。
何者かが“フェースブック”にランボーンを拠点とするヘンダーソン調教師の名前をかたって会員登録し、同調教師の写真も掲載している。その狙いは同ソーシャルネットワーキング会員から個人情報を不正に取得することにあったようだ。
事件は8月24日夜に発覚した。発見したのはクリス・バーネット(Chris Barnett)氏で、彼はタイムフォームラジオ(Timeform Radio)とSIS(Satellite Information Service: 衛星情報サービス)に出演しているフリーアナウンサーである。バーネット氏はヨーク競馬場でエボー開催が行われている8月中旬に、“フェースブック”にあ るヘンダーソン調教師名のトップページを開いたところ、同調教師の“友人”のリストに覚えがない自分の名前が載っていることに気付いたのだ。
バーネット氏は、「私はヘンダーソン調教師に何度かインタービューをしたことがありますが、彼がフェースブックに会員登録していること自体を不思議に思 いました。そして、8月26日に同調教師名のページに掲載された『ランボーンのある調教師から出走馬に関する裏情報を入手しました。携帯電話の番号をE メールで教えてくれたら厩舎情報を流します』というメッセージを見て、これは絶対にヘンダーソン調教師ではないと確信しました」と語った。
同氏は次のように付言した。「私はこのページに、(1) このページの作者はニッキー・ヘンダーソン調教師ではなく (2) 誰かが成りすましをしようとしているというメッセージを掲載しました。するとその誰かが私を友人リストから外したため、私はそのページを見ることができなくなりました」。
「その時点で私は、誰かがニッキー・ヘンダーソン調教師を装ってその名前をかたっているとフェースブックに通告しました」。
バーネット氏は、「そのページにはすでに491人も“友人”の登録がなされており、その数は日に日に増えていました。その誰かをヘンダーソン調教師であると信じていた人々がいたと確信しています。この様なインターネットの落とし穴は非常に厄介なものです」と述べた。
「何者が関与したのか分かりませんが、なにかペテンに掛けるために携帯電話の番号が必要だったのでしょう」。
ヘンダーソン調教師は、「驚きました。誰かが私の名前をかたって信用詐欺のようなことをしようとしていたのでしょうか。フェースブックがどんなものか知 らないし、どうやって会員登録するかも知りません。この成りすましページをできるだけ早く削除してもらいたいです」と語った。
By Graham Green
[Racing Post 2009年8月26日「Henderson horror over Facebook impersonator」]