フランスギャロ(France Galop)会長のエドゥアール・ドゥ・ロトシルト(Edouard de Rothschild)氏は幹部職員に対して、フランスと他の主要競馬国の競馬施行規程を統一するため、早急に提案を出すよう促した。
ロトシルト会長は10月3日夜にパリで開催された凱旋門賞前夜祭の席上で、各国からの参加者に、次のように語った。「競馬施行規程は統一すべきです。施行規程は、プロが透明性をもって、また競馬関係者と競馬ファン双方が納得のいく形で、適用すべきです」。
「いさかいに終止符を打ちましょう。施行規程の内容、規程の執行体制および規程の運用を、より現実に即したものに改善しましょう」。
ロトシルト会長はちょうど1年前に同様の会合において表明した意見を繰り返した。しかし今回の同会長のコメントは、最近物議をかもしたヴェルメイユ賞の “勝馬”ダーレミ(Dar Re Mi)に対する降着の裁決、そしてその後の異議申し立ての却下を受けて、一層時宜を得たものとなった。
ロトシルト会長の信念には行動が伴った。同会長はフランスギャロの施行規程委員会の会長と裁決委員長に、この問題に関する提案を出すよう要請したことを 明らかにした。同会長はこの問題について自身の考えを固めており、「フランスギャロは、フランスの競馬制度を改善するという困難ではあるが逃れられない義 務を負っています。だから提案を要請するのです」と述べた。
同会長は次のように付言した。「ダーレミの降着はイギリスだけではなく、フランスの人々にも動揺をもたらしました」。
「競馬の国際化によって世界の競馬関係者は団結します。国際化は共同作業、ときには連帯を必要とします。しかし現在のように各国の裁決ルールが大きく異なる状況で、主要国際レースを対象とする賭事を国際化することなど想像できますか?」
ロトシルト会長のコメントに、欧州およびフランスの調教師連合の会長であるクリケット・ヘッド=マアレク(Criquette Head-Maarek)氏は即座に競馬施行規程の統一への支持を表明した。
同氏は、ヴェルメイユ賞の裁決は「競馬の歴史に汚点を残した」と表現し、次のように付言した。「その裁決は間違っていました。ダーレミは1着から降着とするべきではありませんでした。裁決委員には、そうする必要もないしそうするべきでもなかったのです」。
同氏はロトシルト会長のコメントに関して、次のように語った「フランスギャロはフランスで正しい方法を見つけなければなりません。実現を確信しています」。
「まず欧州ですべてのルールを統一する取り組みをしましょう。そうすればその成果を世界の他の地域に拡大することを検討できます」。
「私たちは海外で馬を出走させるとき、ブリンカーや舌縛りなどの馬装具の使用を申告すべきかどうかを把握するために膨大な資料を読まなければなりません。そのようなことはすべきではなく、ルールは統一されるべきです」。
ロトシルト会長は、この話題に関するコメントの締め括りとして、「IFHA(国際競馬統轄機関連盟)が施行規程を統一する取り組みを早急に強化すること望んでいます」と述べた。IFHAの年次会議は10月5日からパリで開催される。
IFHAの年次会議では、まず作業部会における検討の進捗状況(ただし進展は僅か)を非公開会合で聴取する予定であり、そのあと10月6日の執行協議会 でこの問題を再度取り上げる。なお作業部会の議長を務めるのは、南アフリカ・ナショナル・ホースレーシング・オーソリティー(South Africa’s National Horseracing Authority)のCEOロブ・デ・コック(Rob de Kock)氏である。
By Howard Wright
[Racing Post 2009年10月5日「President of France Galop leads calls for rules harmonisation」]