この夏、サラトガ競馬場において歴史を作った女性は、レイチェルアレクサンドラ(Rachel Alexandra)だけではない。
同競馬場の141年の歴史において、リンダ・ライス(Linda Rice)調教師は女性として初めて最優秀調教師(勝鞍数リーディングトレーナー)のタイトルを獲得した。6回最優秀調教師に輝いたトッド・プレッ チャー(Todd Pletcher)調教師や最優秀調教師としてエクリプス賞を受賞したスティーブ・アスムッセン(Steve Asmussen)調教師も彼女の前に破れた。
女性調教師による最優秀調教師のタイトル獲得は、サラトガ競馬場だけでなく、米国での主要競馬開催においても初めてのことである。
ライス調教師は、「これは私にとって非常に大きな意味があります。ここまで来るのに多くの労力と時間を要しました。そして世界で最も偉大な競馬場で競うことができ、最優秀調教師のタイトルを得ることが出来たのは本当に名誉なことです」と述べた。
45歳のライス調教師は36日間の開催において、延べ75頭を出走させ、勝馬20頭、2着4頭、3着8頭を記録した。同調教師の2つのステークス競走勝 利は、いずれもマザーロシア(Mother Russia)によるもので、鞍上はサラトガ競馬場のリーディング騎手であるレイモン・ロミンゲス(Ramon Dominguez)騎手であった。同調教師の管理馬は合計で78万6493ドル(約7864万9300円)を獲得した。
2位のプレッチャー調教師はこの開催で最多の延べ135頭を出走させ、勝馬19頭、2着28頭、3着20頭を記録した。スティーブ・アスムッセン調教師 は、収得賞金では1位であり、プレッチャー調教師よりも2万6748ドル(約267万4800円)上回る148万5235ドル(約1億4852万3500 円)を獲得した。
ライス調教師は開催初日の第1競走で勝鞍を挙げ、幸先の良いスタートを切った。
同調教師は、「サラトガ競馬場で最優秀調教師のタイトルを獲得できるとは思っていなかったので、とても嬉しいです。実際このタイトルを勝ち取ることは確かに容易なことではありません。しかも女性が成し遂げるのはおそらく、さらに困難です」と語った。
ドミンゲス騎手もまた、この開催において45勝を挙げサラトガ競馬場で初めて最優秀騎手のタイトルを獲得し新境地を開いた。同騎手はこれに先立つベルモ ントパーク競馬場の春・夏開催において98勝を挙げ、新記録を樹立した。これは殿堂入り騎手アンヘル・コルデロ(Angel Cordero Jr.)騎手が1982年に記録した数字よりも6勝多い。
By Phil Janack
(1ドル=約100円)
[Thoroughbred Times 2009年9月19日「Rice relishes historic Saratoga title」]