海外競馬ニュース 2009年10月29日 - No.43 - 2
アスムッセン調教師、 5000勝の金字塔をうち立てる(アメリカ)[その他]

 スティーブ・アスムッセン(Steve Asmussen)調教師は、9月11日パッションルールズ(Passion Rules)がウッドバイン競馬場の第7競走で優勝したことにより通算5000勝に達した。米国を拠点として5000勝の金字塔をうち立てた調教師として は、デール・ベアード(Dale Baird)、ジャック・ヴァン・バーグ(Jack Van Berg)、キング・レザーバリー(King Leatherbury)、ジェリー・ホーレンドーファー(Jerry Hollendorfer)調教師に次いで、43歳のアスムッセン調教師が5人目である。

 アスムッセン調教師は競馬と深く関わる家族の出身である。同調教師の父親キースは、騎手を経て調教師となり、母親マリリンもまた調教師である。兄の キャッシュ・アスムッセンは1979年にエクリプス賞を最優秀見習い騎手として獲得し、欧州で騎手としてのキャリアを開花させた。

 スティーブ・アスムッセン調教師も騎手免許を16歳のときに取得し、1986年に調教師となるまでの3年間騎手生活を送った。

 同調教師の初めてのG1勝利は、1999年ベルモントパーク競馬場のマザーグースSであり、ドリームズガロア(Dreams Gallore)で制した。その後、驚くべき早さで勝鞍を積み重ねた。同調教師は2004年に555勝を挙げて、北米の調教師による最多勝鞍数の新記録を うち立てた。

 ヘレン・ピッツ(Helen Pitts)調教師が管理するカーリン(Curlin)は、2007年2月にガルフストリームパーク競馬場で2着馬に12馬身3/4差をつける圧倒的な勝 利でデビューを飾った。同馬は、この競走を見ていたジェス・ジャクソン(Jess Jackson)氏のグループにトレードされ、アスムッセン調教師のもとへ転厩した。

 その後カーリンは、年度代表馬として2度エクリプス賞を受賞し、2008年ドバイワールドカップ(UAE-G1)、2007年プリークネスS(G1)、 2007年BCクラシック(G1)、2008年スティーヴンフォスターH(G1)、2008年ウッドワードS(G1)そして2度にわたりゴールドカップ S(G1)を優勝した。

 北米での史上最高賞金収得馬であるカーリンが引退した2008年に、アスムッセン調教師は初めて最優秀調教師としてエクリプス賞を獲得し、頂点を極めた。

 カーリンの所有権の大部分を有していた馬主ジェス・ジャクソン氏は2009年5月、ハロルド・マコーミック(Harold McCormick)氏と共同でケンタッキーオークス馬レイチェルアレクサンドラを購買し、アスムッセン調教師に預託した。同調教師の管理のもと、レイ チェルアレクサンドラは4回連続でG1競走(プリークネスS、マザーグースS、ハスケル招待HおよびウッドワードS)を制した。

 アスムッセン調教師は、ニューヨーク州、イリノイ州、ケンタッキー州、テキサス州、ルイジアナ州およびカナダに厩舎を持っており、スコット・ブラジ (Scott Blasi)氏、クリステン・クロフォード(Kristen Crawford)氏、ダレン・フレミング(Darren Fleming)氏、トニー・マシアソン(Tony Mathiason)氏、トビー・シーツ(Toby Sheets)氏などの調教助手を擁する大陣営を構えている。

By Phil Janack

[Thoroughbred Times 2009年9月19日「Asmussen gains 5,000th win」]